日常生活で使ってみたいプロレス業界用語7つ

水嶋ヒロの件は大変ですね。でもかつての亀田と同じですから心配は無用です。ダメだったらまたやり直せばいいだけですから。田代まさし海老蔵ってのは年齢とか立場的に難しいでしょうけど。

はてブでもコメントしたんですが、「ヒートを買う」という表現を使ってしまって、私がプロレス者だってことが分かる人には分かってしまう表現でしたね。意味は…まあ文脈からは分かるかと思うんですけど。そこで、自分の語彙を振り返ってみて、いくつか使えそうな用語を挙げてみることにしました。最初に言っておきますが私は業界人ではありませんw。どれも多少のプロレスファンだったら知ってる言葉です。

ヒートを買う

用例:「今回はポプラ社も水島ヒロも、ずいぶんヒートを買っちゃったもんだね」

ヒートを買うとかヒートをもらうって言います。ヒートはHeat、観客の興奮という意味です。罵倒を受けるってことですね。ネットで言うなら炎上するってことかな。まず最初に観客を興奮させるのは、悪役の仕事ですよね。悪役だからなにか不正を働いて善玉をやっつける、これが第一段階です。すべてがここから始まってます。「亀田父対やくみつる」を思い出してください。まず亀田父から行動を起こしていますね。

しょっぱい

用例:「リオンの身柄まで出した割には、今回の騒動はしょっぱかったな」

まあこれは定番ですね。アメトーークのプロレス芸人の回でもやりました。平田選手の「しょっぱい試合ですいませんでした」が有名です。負けて塩にまみれてしょっぱくなるっていう、もともとは相撲で使われていた用語ですね。プロレスでは勝敗よりも、試合内容が凡庸であった場合に使われますね。海老蔵の話はもっと長引かせようとマスゴミも頑張ったんですがねえ、思ったよりも騒動が持続しませんでしたね。

セールする

用例:「いいか法子、今度の記者会見では徹底的にセールしろよ」

本来は動詞のSellだから「セル」なんだけど、なぜかこのように言いますねえ。「Sellする=売る」ってことです。プロレスは基本的には確かに技を受けるんですが、相手の技が強力な技なら、より効いているように見せるために、めちゃくちゃ不様な形で技を受けることになります。よく知られているのは「猪木対ホーガンの舌出し失神」ですかねえ。いつだったか、雪印の事件で「こっちだって寝てないんだ!」と記者に言ってしまってヒートを買った雪印幹部がいましたね。通常マスコミに対してはセールをしなければならない、ってのがいわゆる広報マインドのようです。

カムバック

用例:「大丈夫だよ、告白本の企画通ったらカムバックだよ」

英語のCome Backです。試合も後半にさしかかり、今までさんざんセールしていたレスラーが、(奮起したのか怒りが沸点に達したのか分かりませんが)突然復活して逆転する、という流れがプロレスではしばしば起こります。このタイミングをカムバックという符丁で表現します。注意したいのは、カムバックするためには先にセールしなければならない訳で、二つはセットです。「セール→カムバック」…この図式、思い返してみたらいろいろ当てはまりますねー。

ビッグカムバック

用例:「新党作って民主党割れたら…こりゃ小沢のビッグカムバックだな」

その名の通り「より大きいカムバック」という意味です。大体1試合単位というよりは、数試合のシリーズの流れというような、より大きな筋書きが必要になります。「叩かれまくった後に奇跡の大復活をする」、これがビッグカムバックの筋書きです。さんざん叩かれ、いじめられまくった後に、大復活する…やっぱりこういうストーリーにプロレス者はカタルシスを感じるわけっすわー。だからどうしても、仙石さんとか民主党を、まあ応援するってほどではないけど、ちょっと期待して見てしまうっていう、そういう悪いクセはありますね…。

ゴーホーム

用例:「時間もアレなので、そろそろゴーホームでお願いします」

英語ではGo Homeです。「試合を終わらせて家に帰ろうぜ」という意味です。試合後に飲みに行く場合でも使います。試合の最後だけは事前の打ち合わせで決めているので、「ゴーホーム」とレフェリーが小声で指示すれば、レスラー同士はその結末のシークエンスをこなして試合を終わらせるわけです。これによって前座の試合時間の調整などが可能になりますね。会議での採決を取る時、飲み会を締めて会計する時。いろいろ使えそうです。

ケーフェイ

用例:「これはケーフェイだけど、海老とは昔から知り合い同士だったんだよね」

これは「オフレコ」と同じように使おうと思えば使えるでしょうね。ただし。忘れてならないのは、ケーフェイという意味自体はオフレコとは違ってもっと強いものでしょうね。「先輩、それはオフレコでお願いしますよ〜」と言う場面で、レスラー同士は「ケーフェイ」と軽く一言で済ませていたようです。忍者やスパイみたいなもんです。ちょっとカッコいいですね。「ケーフェイを破る」とは、密約や掟を破るという行為ですので、そもそも「これはケーフェイだけど〜」なんてお気楽に話しているような輩は、明日から業界にいられません。そういう重みのある言葉としてご理解ください。


こうやって書いてはみたものの、やっぱり時代遅れな感じがしますね。今さらプロレス用語かよっていう…。
こういった業界用語全部がケーフェイだった時代がよかったなあ、と個人的には思います。