選択肢がないと思っている連中の話には耳を貸したくない

昔からビートルズオジサンが嫌いで、似たようなんで言えばストーンズオジサンもどうでもいい連中だとずっと思っていたし今も思っている。

 

もちろんどちらも素晴らしいバンドだと思うし、音楽のことについては曲によって好き嫌いもあるし、ビートルズストーンズも悪くはない。問題はオジサンの方でね。こいつらはロクに音楽を聞いてない上に、ロック雑誌の影響なのか講釈だけは一人前。

 

具体的に言えばメディアによるジョン・レノンの神格化にずっとお付き合いしつつ、ポール・マッカートニー来日でうわーとはしゃいで「ライブ中水を飲まなかったんだよ!」とか顔を紅潮させてしゃべっているサマは、はっきり無様だ。まあアンタのアイドルかもしれんが、お互い年をとったんだからもう少しオトナになってしゃべりなよって気がしてくるわけよ。こいつらは決まって酒が入るとビートルズの話ばっかで、オトナだから金払いはいいんだけど、こいつらの講釈に迷惑しているロックバーの店長さんはかなりの数にのぼるのではないかと思うのだ。

 

自分は将棋で言うと羽生世代だけど、もっぱら、こういうビートルズオジサンに対するカウンターとして音楽をチョイスして聞いてきている世代ではないかな、もちろんいつも意識しているわけではないんだけど、あまりにも盲目的なビートルズオジサンたちの醜態を反面教師としている点は大いにあると思うのです。

 

自分の先入観なくしてこういう話は書けないんだが、例えばビートルズオジサンよりもちょっと上の世代に、ベンチャーズオジサンってのもいる。このヒトたちの場合は、音楽を聞くということに選択肢はほとんどなかった。ベンチャーズの衝撃ってのは想像しかできないんだけど、「エレキギター!」に対する衝撃をもれなく全員が共有していたはず。ベンチャーズオジサンオバサンは、それしか聞くものがなかったという状況で感動しつつ、そこから何かクリエイトしていったという気がするわけね。それでもきちんと新しいものをアウトプットできるヒトなんてすごくマレではあるんだが、でも総じて自分の中では、ベンチャーズオジサンの方がまだマシって思えるんです。それほどメディアも成熟していない時代だし、ど田舎のオジサン連中がベンチャーズをカバーしたりしてるのは、素直に「お、カッコイイことしてるね」とか思える。

 

ところがビートルズオジサン連中ってのは、まず選択肢がビートルズだけじゃないのに、メディアが仕掛けたビートルズ旋風に自らハマりに行ってたワケです。連中の話す語り口ってのは、必ず、なにかの文章の受け売りです。こいつらは、だらしないと思う。盲目的であることに対してなんの反省もない。リテラシーの欠片もない。「他にもいろいろ聞くんだけど」とか前置きした上で、「やっぱビートルズが最高だよね」とかぬかしやがる。お前らが良いって言ってる意見は、お前の意見か? メディアの意見じゃねえのか? つーかお前、全然他の音楽とか、聞いてないだろ? 「若いヒトの音楽は分からない」っていう意見はある意味オレもオッチャンだから、まあ仕方ないっていう気持ちもあるが、それでもお前らは、ボカロ曲のひとつも聞かないで、ただビートルズがいいよって言いたいだけなんじゃねえの?

 

そんで、ベンチャーズってのは特に思想がなかったんだけど、厄介なんだ、あのジョン・レノンってヤツがさ。世界平和とか言い出したヤツ。そんな夢の様な言葉と音楽をつなげたっていう戦犯の1人だと自分は思っている。ローカルな場所での戦争についてしか音楽は語れないって真実にいち早く気がついていたミック・ジョーンズの方がジョン・レノンより数百倍エライ。いやまあ、でもこれはどっちもどっちという部分でもあるのでコレ以上広げないが、問題なのはアーティストではなくて、やっぱりオジサンの方だ。ここでもビートルズオジサンたちは、世界平和だとか言い始めたわけね、メディアと一緒になってね。

 

んで、いろいろあって、風景としてのビートルズオジサンたちは、サヨクの集まりと繋がってきちゃうんです。だからオレは、国会前デモとかいう画像や動画を見ると、その中に相当数いるビートルズオジサンたちの顔を目にして、なんか嫌悪感がまず先に来ちゃうんだなこれが。音楽と政治の話はもちろん関係ないんだが、ビートルズオジサンたちがこれまでも、これからもずっと尻馬に乗ってきたように、他人の意見に同調するだけしか能がねえんじゃねえか、と思ってしまう。3.11以降ずっと、そういうもやもやはある。放射能怖くて九州の山奥に逃げた連中が自己弁護に走るあまり、プラーナを食べるだのケミカルシャンプーを使うなだの、タガが外れた方向に行ってしまうのは見てらんないんだよね。「すみません間違ってました」と言って帰ってきてもいいんだよ、東京に。もしかしたら「すみません間違ってました」と九州の山奥に訪ねるのは自分かもしれないけどさ。

 

強行採決に対するアティチュードもひどい。与党案に対して答えはひとつなのか。そしてなぜ、すぐに徴兵制なのか、すぐに戦争なのか。原発についても、沖縄についても同じ。なんでも反対と言われる野党の態度と同じじゃないのか。同じでいいの? 同じだから安心するのか? 同調したいだけなの? そこら辺をビートルズオジサンたちに問いたい。

 

私もちょっとひねくれ者なんで、ああいうムードにはいっさい同調したくないんですよね。だから他人とは違うモノ、選択肢を探したいと常々思っている者です。新国立競技場についても同じだな。まあほんと、同調圧力だけには屈したくないと思っております。