坑夫とその妻 ジョーとスージィ ヘインズ夫妻

スタッズ・ターケルの『仕事(ワーキング)!』を読んでます)

キャサリーンおばさんの甥っ子とその妻。ジョーは鉱山の仕事を引退。この近辺には鉱山の仕事しかないと言う。山の仕事で肺がやられてて、恐らく山の仕事でやられて補聴器を付けている。

ワシが仕事入ってた山でも、9人が命落とすいうのがあったな。こういうことはワシが働いてたようなあのトロッコを使う水平坑がほとんどで、こういう山に限って組合がないんや。もっとも露天掘りはみんな今あんじょう閉鎖されてしもたけどな、ワシの甥で鉱山管理しとったんがおってよ。17人も人を使とった。で今全員が失業中いうわけや。

1889年にワシのじいさんはこの権利を売り渡してしもうた。前もって発見されたものの権利一切と後になって発見されるものの権利一切ーーガスも石炭も粘土も石も含めてのや…。ワシのじいさんばあさんはX印二つでサインしたんやな。農業権は持っとった。ところが会社は権利を持ってる石炭を採掘するために、森を切り開き土をほじくり返し、なにもかもひっくり返してしもたにゃ。

ワタシ等あの子に工業技術勉強してもらうつもりで学校へやったんです。学費の足しにとおもうて学校の食事係の仕事をウチはやりました。「ここへもどって、なんもアンナ露天掘りの仕事行かせるために、おまえを学校へやったんとちゃうで」ってウチは言うんです。ウチにしてみたら、あの子が露天掘りやっとるよりベトナムに行ってくれるほうがまだましですねん。

それにしてもときどきこの本、変な方言を使った日本語訳が登場してくるので頭が痛いのです。必然性がよく分からんのです。きっと茶目っ気なんでしょうね。

坑夫 (新潮文庫)
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