『ノーカントリー』を観ました

コーエン兄弟監督の『ノーカントリー』を観ました〜。

ノーカントリー スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]
パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン (2012-09-14)
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ずいぶんと間尺に余裕をとったゆったりした時間の流れ、余計な音効は使わない、エルパソの風景、これらが相まって、まーあこれが実に眠くさせるんですよね。役者が何かを見てる→見ている対象が映る→また見ている役者の絵→見ている対象がさらに寄る→…というお得意の編集、その上で結局何も起こらないとか、そういうのがいくつか続くとグッタリしますが、グッタリさせる合間にひどい殺しがわんさか挟まれるわけで、まあおっかない。ネムコワイ映画の代表格です。

なにがおっかないかと言ったらハビエル・バルデム演ずる殺し屋でしょうね。原作『血と暴力の国』はもちろん未読ですが、コーマック・マッカーシーらしいキャラだなあと思っちゃいました。この殺し屋キャラの造形は、発明と呼べますね。彼のキャラで続編作ってもいいレベルです。原作どうなってるんだろう、ちょっと確かめないと。

とにかくずーっと国道、モーテル、砂漠のシーンで、昼と夜の絵が繰り返されるのは見事だなあと思いました。唯一の都会の絵から登場するウディ・ハレルソンが、これではほぼチョイ役になってしまうのも当然という感じ。トミー・リー・ジョーンズ演ずる保安官がそれほど正義の人に見えないこと、追われる身であるジョシュ・ブローリンがアサハカではなくてそこそこ知恵を使うキャラであること…ハビエル・バルデムのキャラと同様、いろいろと目に新しい、創造性の豊かな映画でした。まあほんとに、名作ですねこれも。こんな映画他にあるかって言われても困ります。

ただし、眠いってのは確実です。よく寝てから観るのをオススメします。