『ROOTS TIME』を観ました

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映画『ROOTS TIME』を観ました〜。

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低予算のカルト映画の部類に入ると思うんですけど、意欲的で面白かったですよ。

この監督さんは、よくぞここまで自分の趣味を押し通しました。なんの迷いも照れもなく、こういうのが撮りたかったんでだろうなーって思わせる青臭さがプンプンします。学生映画の延長、と言えば聞こえが悪すぎ? 最近の「学生映画」ってのがどういうレベルか知らないんですがね。

この監督さんは70年代のジャマイカ音楽や『ロッカーズ』のようなレゲエのドキュメンタリー映像を再現したかったんでしょう。本当にそれだけです。ストーリーは一応あるけどあんまり意味ないです。何が言いたいのかってのもさっぱり。とにかくこんな映画を撮りきったということに、よかったねって声をかけてあげたい、そんな気分です。

ルーツロックレゲエ(とラスタファリアニズム)は、その発生した70年代から世界中に影響を与え続けて今日に至るんですが、レゲエ音楽の求心力ってのは半端じゃねえんだなって感じました。レゲエの好きな監督さんは単身ジャマイカに渡って、それからイチから映画作りを始めた、とかいう話が特典映像にありました。首都キングストンの状況はまったくもってグローバル化しており、ルーツロックレゲエなんて跡形もないんじゃないかっていうぐらいに音楽も変わってしまっていたでしょう。それでジャマイカの田舎をリサーチして、役者もラスタ同様の暮らしをしている素人を採用したというんですね。まあ映画撮る人にとっては当たり前の作業なんでしょうけど、観る側はよくそんなモチベーションがあるなあって感心します。

ラスタファリアニズムのお話としてはちょっとキツいです。せめてなにかもっと深いところに引っかかりがないと。娯楽なら娯楽で、『クールランニングス』ぐらいに戯画化するベクトルに振り切ってないとなあって。撮られているラスタマンが「バビロンは〜マリファナは〜ヴァイブスが〜ジャーラスタファラーイ!」と発言するの図、なんてもうはっきり予定調和でしょう。それだけだとやっぱり物足りない。次回作に期待します。