『タクシードライバー』を観ました

スコセッシ監督、デニーロ主演の映画『タクシードライバー』を観ました〜。


とにかく眠い映画でした…きっと夜のシーン多いからでしょう。しかし眠いなりに、役者の配置や衣装、ロケーションを眺めていると「おっすげえ」って思うシーンが多くてさすがと思いましたねー。生々しい夜のNew York、この時代はモロに「THE 犯罪都市」って雰囲気ですね。

今の(2011年)自分が今の年齢(40歳)で観て、このベトナム帰りの主人公トラヴィスにはまったく興味もないし納得もいかないんですが、1976年当時は、この主人公の孤独さが多くの共感を呼んだわけでしょ、なんだか信じられませんね。

都会の孤独の青年を描くとして、考えてみれば当時、もっとも"断絶した孤独"を味わえる大都会といったらニューヨークは舞台としてぴったりだったんじゃないでしょうか。さらに大統領の暗殺と暗殺未遂も立て続けに起きており、社会問題もにじませたと言う感じなんでしょうね。

ラヴィスジェーン・フォンダ演じる売春婦に、タクシーの仕事は仮の姿で本当は国の仕事があるだのとウソを言うんですけど、キャバクラ行ってこういう虚言で自分を大きく見せる奴っていますね。いたんですよ私の知り合いにもね。そういうのは一番情けない奴だなあって思っちゃうんですけど、まさにその役柄をデニーロは演じているわけでして、あああさすがだな、とここでも思っちゃったんですよね。筋トレ始めちゃったりする思考とか、よく分かります。気持ち悪い奴ですねホント。

しかし孤独とか言っても、トラヴィスにも家族や兄弟はいるだろうにって思ったんですがね。その辺、この映画では明らかにされないまま、いきなりタクシー会社の面接から始まりますからねえ。タクシー会社のシーンでは、まずは中川家のネタを思い出してしまいました。もちろん「運転手と客」をやる前の、「運転手と営業所の人」のくだり。

ところでデ・ニーロ演じる主役と女の二人が映画に行くときのストリート・ドラマーが気になりました。彼はGene Palmaという名で、実在する路上パフォーマーだったんですね!

オチについてはよかったと思いますよ〜。考えようによっては救われる話にもなるし…笑える話にもなりそうだし。

余談ですけど、タクシードライバーを漫才の台本にして、中川家に一席やってもらいたいって思いました。「なんでデートでポルノ映画やねん!」とか「12歳ゆうたら犯罪やがな!」とか。