『硫黄島からの手紙』を観ました
クリント・イーストウッド監督の『硫黄島からの手紙』を観ました〜。
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劇場公開されたのは2006年ですか…ずいぶん昔に感じます。今回DVDで初めて観ましたが、これはまたずいぶん、予想以上に、暗くて重くて長い、それなのに淡々と進む戦争映画でした。
いまこのエントリーを書くために硫黄島の戦いをググって調べてみたら、事実とはいろいろ違う部分があったんですねえ。まず硫黄島には21000名が防備にあたってたわけでして、この映画だとどう多く見積もっても、150人くらいの日本兵しかいないような雰囲気でした。地下壕は島内各所に18キロにも及んだそうですが、いやあセット感バリバリの洞窟で、「サンダーバード」を思い出してしまうような。
あと憲兵隊は犬を殺しませんよ、みたいなツッコミも。
役者さんの話をしちゃうと、二宮和也さんみたいなボサっとした感じの軍人がいたのかもしれないな、っていうファンタジーを持つことができただけでも、この映画は救われた感じがします。このあり得ないほどクレイジーな戦争の時代に、集団自決のようなシチュエーションが自分に巡ってくるとして、どのような考えに基づいて行動したら生き残ることができたのかっていう、それを二宮演じる兵隊さんは示唆しています。あの役が、一番気持ちについていけた感じです。栗林中将なんて、やっぱり人間としての格が自分とは違いすぎるっていう描写でしたからねーなかなかついていけなかった。でも「二宮が主役だろ?」という意見にはちょっと待てよと言いたい派ですけどw。
いやしかしまあ、豪華キャストの超大作だけに、みどころの少ない映画でしたね…なんでだろう? やっぱり邦画が好きじゃないってことかも。戦争映画は大好きなはずなんですけれど、最近『スウィート・スウィートバック』なんかを観たばかりなので、いろんな小道具に意味を持たせようという制作者側の苦心が、全部くだらねえなって思えたのかもしれません。栗林中将が持ってた拳銃、掘り出された手紙の山、そういうのが映画的過ぎて。確かにこういう実話を基にした映画って難しそうですけどねえ。