『中華文人食物語』を読みました

南條竹則さんの『中華文人食物語 (集英社新書)』を読みました〜。

中華料理についてのあれやこれやの話を、主に中国の文献からの引用でまとめた本です。すげー面白い!すげー詰まってる!コストパフォーマンス的には申し分ない出来上がりの本です。引用元も幅広く、これは南條さんの読書体験と食事体験をフルに発動したものだろうと思います。いやもしかしたらまだまだネタがあるかもしれませんけど。

特に南條さんは、各章の物語の起こし方がとてもうまい! 読み始めたら止まらなくなります。水滸伝の話からスーッと犬食の話に移ったり、随園別館という中華料理屋が新宿にあるんですがじゃあ本館ってどこよ…実は18世紀の南京にあったんですよ、という話の始まり方がとっても美味しい。チャプスイという"米国式中華"の話は、ぜひネタとして覚えて披露したいくらいに面白い。一気に読んだら確実にお腹いっぱいになりますので、少しずつ読むのをおすすめします。

本書で引用されている中国の古典なんてなかなか読み下せないしそもそも読む機会も少ないんですが、漢文読めなくても漢字を追うとなんとなく意味を感じられるわけですね。漢文も読まんとなあ…えり好みしてはいけないなと思いました。まずはとりあえず白川静さんの本読みます…あと南條さんの『酒仙』も面白そう。