『父親たちの星条旗』を観ました

クリント・イーストウッド監督の『父親たちの星条旗』を観ました〜。

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劇場公開時とは逆に、『硫黄島からの手紙』を先に観てしまったもんで、まあ勢いで観たんですが、こっちの方が映画として楽しめたような気がします。

まずとりあえず書きたいのは、インディアン差別ですね〜。最近読んだアメリカインディアンの本でも、硫黄島で英雄扱いされたピマインディアンの兵士、アイラ・ヘイズの死について軽く触れられていました。映画の中でも、なかなか苦くて差別的な描写が至るところにあり、陰鬱な気分になります。それだけではなくて、国債集めのために茶番をやるとか、もうとにかくアメリカ最悪、という気持ちにさせるようにできているんですよねこの映画は。

アイラ・ヘイズは、マイノリティであるがゆえに、戦後話題になったんでしょう。ジョニー・キャッシュが唄うほどの伝説になりました。

彼の生涯にスポットを当てた映画も1961年には作られていたんですねえ。

それにしてもこの歌や映画の何気なさ…いずれもひどいもんですね。察するに、アメリカのインディアン差別は相当根が深いようです。現在はいくらかマシにはなってるんでしょうけれどもね…って考えが甘いのかな。

それから、一見して気になったのは「黒人兵士」が目立たないこと(どうやら映画の中に登場してないわけではないらしい)。恐らくインディアン兵士の描写のために、でしょうね。公開当時もいろんなところで話題になっていたようです。

という感じで、つらつら感想を書いた後に、『硫黄島からの手紙』をもう一度考えてみますと、監督の映画LOVE注入が圧倒的に足りないんじゃないでしょうか。錚々たる日本の俳優たちの素晴らしい演技で押し切っちゃって、やっと成立しているっていう、そんな気がします。こんなことをアカデミー賞受賞作に対して言うのも気が狂ってるんですがね、ほんとに!