『テネイシャスD 運命のピックをさがせ!』を観ました

リアム・リンチ監督、ジャック・ブラック主演の『テネイシャスD 運命のピックをさがせ!』を観ました〜。

スクール・オブ・ロック』以上に、完璧なミュージカル映画です。好きなんですねえ音楽が。これはとことん好きじゃないとできません。

こだわりは音楽だけじゃなくて、カセットテープ、テレビ、クルマ、留守番電話、そして楽器と、そういう小道具が全部80年代! なにしろカーチェイスをすることになるピザ屋所有のクルマが『カットラス・スプリーム』で、これも70年代から80年代にかけてのクルマだそうです(初めて二人でライブした時の歌の歌詞に出てきました)。このこだわりが全体に効いてると思いました。西海岸風なロックTシャツもわんさか出てきましたねえ。

それから海岸の占い師のタロットカードがタイトルとなり、その後チャプターごとにタロットカードが出てくるのも、魔術的です。魔術的と言ったら、悪魔が地獄から出てきて地獄に戻るっていうモチーフはキリスト教的ですよねえ。この映画、最初に片田舎のreligiousな家に生まれたジャック・ブラックから始まるんですけど、最後まで宗教的ななにかがまとわりついた物語だったなという気がします。きっとヘヴィメタルが、宗教や魔術をモチーフにした音楽だからでしょう。「悪魔は心の中にある」とかいうライブハウスの主人の言葉でなぜか私は不意に法華経を思い出しました

もうひとつ、この映画が宗教的だなと思えたのは、JBとKGの、下ネタとハッパへのこだわりの深さです。これはほんとにもう、しょーもなかった。最後のオチが「Bong of Distiney」…不用意に子供に見せたらいけない映画ですわ、ほんま。

しょーもなさで言ったら、トラック・ストップのウエイトレス、エイミー・ポーラーの演技がくだらなかったなあ、あれは最高。次点がギターショップの店員やってたベン・スティラー。よく見たらベン・スティラーは製作総指揮ですねこれ。さすが。ピザ屋の人もいい味だしてました。エイミーもサラ・シルヴァーマンと同じく40歳なんですねーなんか惚れてまうわー。この辺のコメディエンヌのこと、もっと知りたいんですが…なかなか日本公開が少ないようです。ジャック・ブラックの子供時代の子役は、ああ、『ナチョ・リブレ』にも出てた

セグメントではパーティでKGが演奏する悲惨な部分、その後のJBがキノコ食ってトリップ、が心に残りました。くだらないですね。ほんとにくだらない。今改めて思い出すと、くだらなさでは史上最強じゃないでしょうか。

ディオはもう昨年に亡くなってるんですね…いやあいい映画に出られてよかったんじゃないでしょうか。