『プレシャス』を観ました

映画『プレシャス』を観ました〜。

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いろいろありますけれども、やっぱりこれ、真っ先に書く事といったら、まずマライア・キャリーですよ! 持ってかれました。『ええ、これがマライア?』っていう話ですよね。まあそれもあるし、マライアのみならずレニー・クラヴィッツも出てくるし、こういう仕込みって映画ならではっていう感じで面白いっすね。原作からしてもう評判が上々だったようだし、映画の内容以前に、話題作りに長けた感じいうのがね、好き嫌い分かれるところではないでしょうか。個人的には宣伝には積極的に引っかかりたくない派なので話題先行型は嫌いですが、その先行した話題が作品の内容とバランスが取れていればそれでいいんじゃないかとは思います。バランスが取れているどころか、『プレシャス』の内容はかなりよいです。

ナマポのDQN母を演じたモニークが最高でした。2009年にいろんな助演女優賞を取ってるように、ガチンコで素晴らしい演技だと思います。やらしい話、彼女自身この映画で格(というかギャラ)が上がったんすよねーきっと。いろいろ評されている通りですが、この受賞はアフリカンアメリカン女優の歴史を変えました。ジェニファー・ハドソンの受賞とはまた意味が違うんですよね〜。

こりゃもう生きているのもヤバいだろっていうくらいの負の連鎖のただ中で、主役のガボレイ・シティベ演ずるプレシャスが結局…なんだっけ、いろいろひどいめにあって更正していくっていう話だったかな、ちょっと結末は印象残ってません。救われる、救われない、どちらにしてもお話としてはアリでしょうね。80年代ハーレムという設定でしたが、アフリカンアメリカンの家庭はいつだってこういう現実があって、そしてもちろん現在の日本でもいるでしょう。問題提起の広がり方はさすがにいろんな作品賞を取った映画だと思いました。

まあともかく、モニークとマライアと主役のガボレイ・シティベの3人の面談のシーン、ほぼラストシーンですが、あれは、すごくいいです。奇妙な9分くらいの長尺です。人物の造型が深いっていうんでしょうかね、白眉です。