『ハート・アタッカー』を観ました

『ハート・アタッカー』を観ました〜。

ハート・アタッカー [DVD]
ケンメディア (2010-10-29)
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原題は"Battle for Haditha"なんですが…まあ邦題については非難しようにもいろいろ大人のしがらみがあるんでしょうという理解を示しつつ。

いやいやーワクワクする力作でした。最近多いんですねーこの手ぶれカメラで撮る雰囲気。最初のシーンなんてもうえッ、本物の海兵隊をドキュメンタリーで撮ってるものかと思ってしまいました。なにしろイラク住民側、テロリスト側のそれぞれの視点で撮られていることが分かるまでは、観ていて気づきませんでしたからねえ。モキュメンタリーって言うんですか、最近は猫も杓子もモキュモキュしてますねえ。

実際に米海兵隊がハディサで起こした虐殺事件を下地にしております。ひどいんですよアメリカ海兵隊ってのはさーまったくもう。サイテーですね。まあそういう風に撮ってるからそう思えるんですけどね。これこれ、あるいはこれなど、ハディーサ虐殺事件についてもいろんな立場によって見方がちがうもんですから、張り切ってアメリカを批判するのもまたちょっと違うんじゃないか、という気もしてきます。そこが困ったもんです。

なんか不毛な議論だなあ〜最初っから戦争しないのが一番に決まってるんだがなあ。

CNNが戦争の現場に入った湾岸戦争以降から、戦争報道とはイデオロギーの報道なのだということが、アルジャジーラの報道との対比で、視聴者に筒抜けになっちまいました。しかしまあイデオロギーがあるだけでもまだマシだったかもしれません。すっかりYouTubeの時代になった現代では、それすらどうなっているか分かりません。戦争とは理不尽なものである、とかなんとか言えるくらいでしょうか。

テロリスト側の映像も、イラクの住民の映像も、やはりなじみがないものが視覚から入ってくるのは新鮮ですね。恐らくそのせいだと思うのですが、結構テンポよく進む物語だなあと思いました。子供の割礼かなんかを祝うようなシーンがありましたが、あれもこの遠い日本においては検証不可能ですからねえ。なんともいえません。実際にハディサ近辺に住んでる人からしたらまるっきりインチキ小芝居に見えるかもしれないし、見えないかもしれない。その部分では評価をしきれませんけれども、それでも飽きない映画でよかったです、とだけは言っときます。実際に起こった事件の経過を考えると、とても重苦しい気分にはなりますが。