『戦場でワルツを』を観ました

アリ・フォルマン監督の『戦場でワルツを』を観ました〜。

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アニメか〜。アニメに対する偏見は強いと自覚する私はアニメ映画に構えてしまいます。イスラエル製作のアニメなので、日本のそれよりもひと味もふた味も違った感じということは分かるのですが、比較する対象がまるで頭にないので、冒頭の野犬の群れが走るシーンから、ポンチ絵なのかどうなのか、見極めようとしてもよく分かりません。それでも、開始10分程度で、この物語は一体どこへ誘おうとしているのだろう、と興味津々で観てしまう内容でした。

戦争に行ってきた男が、虐殺の現場の記憶だけがすっぽり抜け落ちていると。で、戦争当時の仲間に会いながら、その記憶をたどっていくと。そういう物語なんですが、きっと行き着くところは悲惨なんだろうなあと思いながらも観てしまうこの感じ、何かの映画に似ている感じがしますが、うーん、すっかり記憶から抜け落ちていますね。

戦争映画としては、いやあ本当にアニメで伝えることの意味がよく分かりました。この悲惨さは、アニメだからこそできるワザだろうなあと。これもまた、そんなに戦争映画を観ているわけではないのでね、よく比較できないんですが…とにかくもう、悲惨であると、戦争はやめようよ、という気分になります。戦争はよくない。絶対よくないね、という。

お話の凄みというのは、これが1982年の戦争の記憶で比較的新しいことからも増してきます。これはもう、本当に記憶から消し去りたい事件だと思いました。あまりにも、あまりにもねえ…いやしかし、伝えなければならないから、こうして映画になっているわけでしょうしねえ。戦争はひどいのに、誰がひどいんだって言われると分からないということになる、これが戦争のイヤなところですね。

PILの曲なのかな、This is not a love songってのは。それともPILのカバーなんだろうか、80年代のヒット曲。まあしかし、その懐かしさとかどうでもよくなっちゃいますね。

なんかなあ、どうして観ちゃったんだろうなあ、っていう。