今週のお題笑顔のもと

たまには書いてみよっかなという気分です。と思ってテーマを見たら、ずいぶん憎いお題じゃないですか。中の人も日々ヴァージョンアップしてるんですね! 笑顔のもと。いいお題です。

最近やっと、本当にやっと落語のよさが分かってきてですね、鈴本や末広や池袋にも、ものぐさな自分には珍しく、足を運んでいます。

落語のよさと言ってもですよ、CDや文庫本になってるような名人はそりゃあ普通に面白いに決まってるんです。いわゆるテレビに出ている芸人よりは間違いなく面白いに決まってます。私がいいなって思えるようになったのは、寄席そのものです。

今はブログもあるので、これだと決めた芸人さんのブログを熱心にチェックしてスケジュールを追えば、どんな小さな高座でも付け回すことが可能です。インディーズの追っかけみたいなもんっすね。年齢的にちょっと恥ずかしいのでさすがにやりませんけど。そういう小さいところでやる落語会の方が若い熱気もあって面白いのだろうな、というのは感じます。

しかしやっぱり寄席こそが、落語のよさそのものだと思います。今はもう数も少ないので、むしろ寄席で定期的に高座を持てる人ってのは、それだけでもうかなりの凄腕なんですよ。そんでもってそういう人たちは、キャラもすごいですけど、勉強量だって半端ないわけです。それは噺を聞けば分かります。幸か不幸か、客にとっては幸ですが噺家にとっては不幸なことで、現代の若手/中堅落語家はものすごい生存競争の中にさらされているわけです。それでも落語をやるとはどういうことか、これを常に自分に問うて生きている、だから、多かれ少なかれ、常に真剣にならざるを得ないのです。たまにガラガラだったりすると、悲壮感はあります。それでも声張ってくる二つ目さんの駄洒落があまりにくだらなくて滑りまくってたりすると、別の意味で客として高揚感を感じることもあります。「おお、この寒い空間に俺はいるのか!」という意味で。

でも今自分で思ったんですが、こうなってくると面白いってことはあんまり問題じゃないのかもしれませんね。落語は人間が話して、人間が受け取るもので、寄席はそういう場所ですから、それだけで満足感があるのかも。若手真打ちも二つ目も、日々ヴァージョンアップしている人たちですから、その成長を見て感じるだけで、こっちが笑顔になれるのかもしれませんねーなんて。