『俺たちフィギュアスケーター』を観ました

俺たちフィギュアスケーター』を観ました〜。

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原題は"Blades of Glory"。『少林サッカー』には及ばないんですが、それでもむちゃくちゃなスポーツ物としては歴史に名を残すほどの名作ではないかと感じました。私は、コメディアンとしては大柄過ぎるウィル・フェレルを観て、「やがて哀しきウィル・フェレル」という言葉を編み出してしまいました。屋上で鳩ポッポと一緒に暮らすネオナチを演じた時も、哀しみが同居している笑いを臭わせます。これはつまりチャップリンからの系譜を持ち出すまでもなく、コメディアンとして本物だということです。実際コメディっていうのは呆れるほどに哀しいものです。「ウィル・フェレルは臭そう」って言葉も頭に浮かびましたが、実際に臭いかどうかよりも、臭そうって思わせる風体っていうところが重要です。

フェレルが、フィギュアスケーターを演じるにしても、当然その身の丈がハマるはずはありません。まずこのキャスティングの時点からして、この映画が名作になることは順当であったろうと思います。しかしフィギュアスケートの世界というのは、それ自体がしっかりしたフレームの中にあるようですから、例えば野試合や果たし合いのようなむちゃくちゃな試合を見せることが難しそうです。だからもう、そんな時は、ハナっから説得力なんて諦めちまえばいいわけですね、この映画のように。とにかくウィル・フェレルを、もっと追っかけたいと思います。それだけの価値はありそうです。

ウィル・アーネットとエイミー・ポーラーの夫妻が共演していることでも有名な映画なんですが、この夫妻は実にくだらなくて最高です。他の作品を観てないのでなんとも言えませんけど、両者ともかなり面白そうです。頭が良さそうですね。

ストーカー役のニック・スワードソンがまたい〜いんです。この人なんかの作品で大化けして欲しい。アーネット/ポーラー夫妻もそうなんですが、向こうのコメディ映画にはガツガツ出演してるんですけど、日本語に訳する手間とリスクを考えるとなかなか日本に入ってこないってのが残念すね。こういう時は本気で英語ができないことを後悔しますけど、後悔先に立たずってことで。日本には野性爆弾を理解できる歓びってのがありますからね。どっちもどっちです。

ジョン・ヘダーは割食ったなあという印象。オイシイ役なんですけどね。ケイティ役のジェナ・フィッシャーは、エロくていいっすわー。

この映画、ベン・スティラーがプロデューサーなんですねー。手掛け過ぎだっつーの。なんだかこれを知ったら、結局自分はベン・スティラーの手のひらの上で踊らされたという感じがしましたよ。