『カポーティ』を観ました

カポーティ』を観ました〜。

我ながらしつこいとは思いつつ、またもや「キャサリン・キーナー見たいだけ」で観たのですが、存外にしっかりした作品でお見それ致しました。ええ半分ほど皮肉ですけどね。


フィリップ・シーモア・ホフマン(カポーティ役)とキーナー(ネル役)のコンビは『脳内ニューヨーク』(2008年)でも観た〜!ってことにすぐに気がつきました。似た感触の静かなトーンですね。んー…えーと、ホフマンひとりの映画ってわけではないんですが、それでもずーっとホフマン観させられたっていうこの感触は、『脳内ニューヨーク』そっくりです。『カポーティ』が2005年なのでこちらの方が先っすね。ホフマンによる、カポーティの実際の雰囲気にことごとく似せて作った役の個性が強くて、アカデミー主演男優賞とっちゃったのも納得します。『パイレーツ・ロック』のモジャモジャのDJ、『ブギー・ナイツ』のホモ野郎と同じ人とは、検索するまでまったく気づきませんでした。かなり作り込む人なんですねーさすが名優っすね。

周りを囲む人々のキャスティングは、なんだかもう無難な「お腹いっぱい役者」ばかりで好きじゃなかったです。ただ死刑囚の二人の演出は力入れたなって気がします。よく分かりませんけど、賞レースで残る映画ってのは大体こんな感じですよね。演出や構成に破綻がないのをつまらんなって思ってしまうのはしょーがないですね好みですからね。実話が基になってる映画は、どこかに批判覚悟で偏ったところがあったほうがいいと思うんですが、それも含めてホフマンの技が効いてたってことでしょう。

ちょっと苦い感じでしたかね…いい映画でしたけどね。