『童話の国イギリス』を読みました

ピーター・ミルワード著『童話の国イギリス』を読みました〜。

ちょっと難しかったかな〜っていう印象です。著者が英文学の方面で非常に有名な方らしく、なかなか新書とはいえ、それなりの背景を知らなければスッと入ってこない手ごわさを感じました。

「イギリスはすぐれた児童文学の宝庫である」ということで、著者の体験を下地に22もの数の名作を紹介する、という趣向の本です。ところがこの22の名作の選択が、知らない者にとってはまったく手ごわいチョイスで、それこそ英文学の歴史ウン百年を思わせるような系譜的な並びで、「いやこれ紹介されてるけど多分今さら読まねえよな…」という感じの本が結構ありました。宝島とかピーター・パンとかロビンソン・クルーソーガリヴァー旅行記ロビン・フッド、現時点ではこれらはもう読めない本と決め付けられそうです。それぞれに愛着のある本として解説されているのが申し訳ないのですけれども。それでも第一章からの数冊は幼児期に読む本が続いてまして、例えばマザー・グースグリム童話集、ピーター・ラビット、くまのプーさん、ケネス・グレアムの書いた『ヒキガエル屋敷のヒキガエル』は面白そうだと感じました。特にグレアムの著作あたりからちょっと掘り下げてもいいかなと。

しかし本書は、実際には最後の章がもっとも書きたかった話だったんじゃないかなと思いましたよ。最終章では『ハリー・ポッター』シリーズを挙げて絶賛しております。私は案の定、まったく読んでませんw。映画も観てないし。しかし、なにがどうなってあそこまで売れたのかと考えると、著者の言うようにかなり中毒性のあるものなのだろうことは想像できます。そこを読み解くためには、チェスタトンの『おとぎの国の倫理学』という本がよろしいようです。こちらのほうは、いずれは手をつけなければならない本のような気がします。

まあ、はっきり言いまして、今の自分にはなんとも言えませんな。なんかしら取っ掛かりがあってもうちょっと詳しくならないことには、どうもこうもないようです。