『ももえのひっぷ』1〜4巻を読みました

コージィ城倉さんの『ももえのひっぷ』1〜4巻を読みました〜。
ももえのひっぷ 1巻 (ニチブンコミックス)ももえのひっぷ 2巻 (ニチブンコミックス)ももえのひっぷ 3巻 (ニチブンコミックス)ももえのひっぷ 4巻 (ニチブンコミックス)

漫画ゴラク連載中からずっと気になってはいたんですよねー。「4巻で完結」という、これはまさに願ってもない私の理想的な漫画のあり方!やっと、ところどころ抜けていた話をまとめて読むことができました。

アイアムアヒーロー花沢健吾氏絶賛!「久しぶりに"漫画"を読んだ。これこそが漫画なんだ!」

いきなり1巻の帯にこんなことが書かれていました。帯というものは節操のない文言が散りばめられるものなんですが、版元がぜんぜん違うっていうのに、最近ではこういうこともアリなんですね。ニチブンだからできたんでしょうか。

絶賛されるだけあって、内容は実によいですよーこれ。ダム推進派と反対派に分かれた町長選挙のさなか、反対派の候補が殺されてしまう…というところから始まる、松本清張のミステリーを思わせるような骨太な設定なんですが、ただこれが小説ではなくあくまでも漫画として楽しむために、「反対派の候補の妻、桃肢(ももえ)33歳、がもうめちゃくちゃセクシーである」という要素が加えられます。オトナ漫画なので普通にセックス描写もあるにはあるんですけれども、全体としてはこう、「まいっちんぐマチコ先生」の系譜といいますか、天然の性格ゆえに露出しているというのに「いや〜んエッチ!」と言ってしまうような部分が桃肢さんにはありましてですね、かわいらしい。そのくせ頭の中は淫乱でもあるという、なんせ旦那さんとは中学の卒業式に出会ってから、社会人の頃に中国出張に行った時以外(そしてこれ伏線になります)、ほとんど、毎日セックスしていたという仲のようですから、羨ましいもんです。まーあほとんどの男性の登場人物はこの桃肢さんに翻弄されるんですね。「ももえちゃんのヒップになら人生賭けてもいい!」と言う男まで現れるというね。

たとえば風呂場で、義母が桃肢の体を触りまくって論評するんですが、「この張り…まるで20代前半…いえ、こりゃ、10代のピッチピチのムスメのおっぱい…こんなに大きいのにこんなに上の方についていて…乳首がツンと上を向いていて…全く崩れのないまん丸のままの脂肪の塊…そしてなんなの? この一点のゆがみもないきれいな曲線を描いた腰のライン そこからお尻にのびて ああ〜…お尻もなんて高い位置にあるの? お尻が上を向いているよ…「引力の法則」ってアンタの場合どうなってんの?」

お分かりいただけましたでしょうかw?狭い田舎の町の話ですから、あんまりセクシーだと毒なんですね。しかしその毒とあいまって、次々に起こる事件や陰謀が、またうまい具合に絡まって進むんですよねー。

4巻あたりから伏線の回収ラッシュでずいぶん気ぜわしくなってきますけれども、そこは世の常、漫画というのは大体こういうもんですって思えば気になりません。むしろこれを4巻にまとめたことを高く評価したいです。ニチブンでは珍しく装丁も素敵だし、これ家に置いてたら結構自慢になると思いますよ!ならねえか!