『決定版 快楽亭ブラック伝』を読みました

小島貞二さんの『決定版 快楽亭ブラック伝』を読みました〜。

決定版 快楽亭ブラック伝
小島 貞二
恒文社
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言うまでもないですが、二代目ではなくて初代ブラックの本です。いろんな研究本がありますが、小島さんの本が結構底本になっているようですね。

ちなみに宮武外骨は、快楽亭ブラックとは親交があり、外骨が明治20年4月に創刊した「頓智協会雑誌」には、ブラックも共鳴、協会員となっているし、25年11月に、治安妨害の罪で服役した外骨が石川島監獄から出獄した折、約200人の出迎えの中に、洋服姿の快楽亭ブラックがおり、見物衆が「きょうの放免囚は、どうもえらい人らしい。外国人まで出迎えに来ている」と、驚いたという。

一人のガイジン落語家の生涯を知るのは面白いのですが、三遊派だの柳派だのという明治の落語の歴史を含めて知らないと、この本読むにはもったいないかなって気がしました。寄席も地方含めたら無数にある時代だし、メディアが追いついてないのは見てて明らかで、少ない資料からこうして一人の生涯を浮き立たせる仕事っていうのは大変なことでしょうねえ。小島さんの著作はそういうすばらしい仕事が多いんで、小島貞二で読んでいくのも面白いと思いました。

あとがき見たら、筆者はどうも二代目ブラックをよく思ってないようです。襲名するのに遺族ほか関係者に挨拶もないとはなにごとか、という話のようですが、現在はどうなってるんでしょう?