『奥羽の二人』を読みました
松本清張の『奥羽の二人』を読みました〜。
なんとなくですが、「歴史好き」と呼ばれる人は戦国時代が多いような気がします。「信長秀吉家康と〜♪」ってこんな歌詞の唄をなぜか覚えているんですが、武田鉄也のいた海援隊の「黒田官兵衛苦笑い」という唄ですね。もう歴史好きも大概にせえよ、と鉄也の母親じゃなくても言いたくなるようなタイトルと歌詞、そしてグループ名ですね。こういうのを知っているせいか、やっぱり歴史好きの好きな時代は、戦国か幕末か、に集約されているような気がします。
こんなことを書いている私は、実はまったく戦国時代に萌えません。時代に萌えないというよりも、戦国武将に萌えないといいますか。あの頃の武将連中ってのはヤクザみたいなもんじゃないかと、黒塗りのベンツに乗って藤原紀香みたいなオネーチャンをはべらしてる連中と変わらないんじゃないか、といつも思ってしまうのです。だから幕末の志士ってのもあんまり好みではなくて、どちらかというと庶民が歴史の主役になっているテイが好きです。だから現代なんて最高なんじゃないかなって思ってしまいますね。
この本は、松本清張の、戦国〜江戸期を舞台にした歴史モノの掌編をまとめたものです。なんで好きでもないのにこれを読み始めたのか、今ではちょっと思い出せません。表題の「奥羽の二人」ってのは、伊達政宗と蒲生氏郷のことです。もうこれだけでピンと来る人はどんな話か分かっちゃうんでしょうけれども、まあありそうな話だな位の感想です。他の話にしても同様でした。萌えませんねえ、ずいぶん「信長の野望」をやりこんだはずなんですがねえ。
やはり誰か「好きな人」を心に決めて読まないと、なんとも心もとない読書になってしまいますね。なにかひとつと決めるなら、酒癖の悪い福島正則を書いた「転変」という作品が心に残りました。そんなところでしょうかね。
この手の小説でなんとも不満が残るのは、武将連中しか出てこない世界だということです。狭い範囲の世界での物語という点では経済小説やヤクザ小説と一緒でしょうね。楽しみのために読む小説なんだったら、もう少し好きなストライクゾーンを広げてから出直してこいっていうことですね。失礼しました。