僕の大切な人と、そのクソガキ

ジェイ・デュプラス&マーク・デュプラス監督の『僕の大切な人と、そのクソガキ』を観ました〜。


邦題がいかにもコメディ映画という感じですが、面白いというか「オモ白苦しい」という印象でした。実際のタイトルは「そのクソガキ」の名前「Cyrus」というごくシンプルなものですので、面白味付け感は邦題によるもんでしょう。


とりあえず最初に書かねばならないのは、これやっぱりキャサリン・キーナーで始まる映画だっつーことです。私のようなキーナー好きにはたまりません。脇役の筆頭株でして、主役ジョン・C・ライリーの元奥さんという役どころなんですけどね、なかなかカワイイ&カッコイイお衣装で出てくるシーンが多くございまして、いいですよねこれ。もうひとつ言うと主演女優のマリサ・トメイもとっても素敵な熟女なんですけどね、あんまり再発見っていうほどでもなかったような気がします。

やっぱなんていうんでしょうかね、マリサはずっと美人女優で来ているわけでしてね、結構キレイだな、から観てしまいがちなんですよねー。キャサリン・キーナーの顔ってのはそういうカテゴリーからはちょっと外れるんだけど、まあたまらなく魅力があるんですよね。とにかくまあ、この映画の第一の見所はキャサリン・キーナーの普通の演技です。

ジョン・C・ライリーも安心して観て笑える役者さんなんですけど、どうもこの映画ではじっとりと抑える部分が多くて、序盤のパーティーのシーンくらいでしょうかねーはっちゃけてんのは。テーマはオトナな感じの、悪く言っちゃうと凡庸な古典的なテーマなんで、仕方ないんでしょうけれども、前半のほうに笑えるところが多くて後の方は「まあ映画的にはそうなっちゃうだろうな」っていう、紋切り的な印象もありまして、なんだかなあって感じもしました。

まだまだとんでもない名優ってわけじゃないんでしょうけれども、マザコンの子供役やってたジョナ・ヒルの変わりっぷりはすごいなと思いました。キャサリン・キーナーと絡んでた「40歳の童貞男*1とはもう全然違うし、この人はこれからどんどん伸びていっちゃうんじゃないかなと思います。オモシロ・ポテンシャルは非常に高いんじゃないかと。ジョン父との絡みも演出上なかなか緊迫したっていう感じよりは自然な感じの対立構造で、ちょっとキチガイっぷりを漂わせるっていうところでも演出上ごく自然だし、こういう味の出し方はいいですね。もちろん演出がうまいってことなんでしょうけどね。

話はがらっと変わるんですけどね、これ一緒に借りて観てたのが「タイムスクープハンター」なんですけど、カメラの所作があのフェイク歴史ドキュメンタリーにそっくりだったんで、ちょっと笑っちゃいました。面白い撮り方するんだなーって感じですけど、まあそれ以上はないかなっていう。なんでそう思うのかというと、ストーリー的にも自然主義のようなところを維持していくってのがこうたまらなくこだわりとしてにじみ出てちゃってて、だんだん制作側のオナニー感がじんわりと出てくるんですよね〜。

あとちょっとした疑問なんですけどね、離婚した元妻が元夫を再婚相手との結婚式に呼ぶもんなんでしょうか。お二人の関係性にもかかわってくるんでしょうけれども、なんだかなー、普通呼ばねえのが礼儀じゃねえのかな、って気もしましたけれども如何。

*1:キャサリンのやってるネットショップの店にスニーカーを買いにやってくるオタク役でしたよね確か