ロック・ミー・ハムレット

アンドリュー・フレミング監督の『ロック・ミー・ハムレット』を観ました〜。

素晴らしい作品でした。ここ10年というのはちょっと大げさでも、ここ4,5年くらいだったら十傑に入るんじゃないかなと思います。それもちょっと大げさかな、いやでも、ここ4,5年くらいの笑える映画の集大成っていうのは言ってもいいんじゃないかなーと思いますヨ。

映画の始まった瞬間からもう分かっちゃいますねえ、本気度、真剣味が違うなっていうのを感じちゃいます。これはもう笑わせに行ってるってのがヒリヒリと伝わってきます。緊張と緩和。あのー、直前に見た映画「Role Models」の内容を忘れちゃうくらいに、その点では差がありました。KISSのBethを使ってた「Role Models」を引き合いに出しちゃうのは申し訳ないんだけれども、エルトン・ジョンの「Someone Saved My Life Tonight」の使い方がとても上手で、愛があるなあと。やっぱり制作ってのは金だけじゃなくて、愛ですね。特に映画なんて愛と情熱の集大成ですよ。脚本も演出も役者も編集も。

アリゾナ州ツーソンという(実際の撮影場所はニューメキシコアルバカーキらしいですけど)ロケーション、そこでスティーヴ・クーガンがローラースケート履いてるっていう設定だけで、何か面白いことが必ず起こるっていう気がするし、絵作りの雰囲気があって好きです。つまるところ『スクール・オブ・ロック』的な学園モノで成長してくんでしょ、あるいは演劇っていう部分で言うなら『glee』的なドタバタ『プロデューサーズ』的な見せ場をもってくるてなことになるんでしょ、というこちらの詮索があっても全然大丈夫、最後まで楽しませてくれました。

脚本はパム・ブラディ、サウス・パークのシナリオ書いてる人だそうですね。最高にくだらないくせに、お話の筋は先を読ませず、新鮮味がありました。演劇クラスの女の子、ゴミ箱ぶっつけられるヨランダの使い方が、サウス・パークのケニー・マコーミックみたいな味がありましたねえ。

主演のスティーヴ・クーガンの表情やセリフ回しはいいっすねえ。どこかローワン・アトキンソン的な匂いを感じて見てたんですが、イギリスお笑い界直伝の、ってヤツなんでしょうか。旦那がユダヤ人だとかなんとかまくし立てるエイミー・ポーラーはホントに喋りが早い。エイミーが演劇部員の親にまくし立てるときのスティーヴのツラがいいです。エイミー・ポーラーの面白さは『フィギュアスケーター』で体験済みですからほぼ鉄板、クレイジーな役どころです。

しゃべらないヨランダのお友達役、メロニー・ディアスは、ジャック・ブラックの感動名作「Be Kind Rewind」に出てた出てた、出てました。ニューヨークはロイサイダ生まれのプエルトリコ系なんですが、どこかウチナーっぽい雰囲気もあって親しみやすい美人顔なんですね。検索してたらメアリー・J・ブライジのPV出演を見つけました。


キャサリン・キーナーはやっぱりいいなあ!! 本当にこの人大好きですよ困ったもんだ俺も。結構汚い単語使ってズバズバ言って、酔っ払って大口開けて大笑いするところ、下品なセリフもぴったりハマるし、やっぱりいいな〜ホントにかっこいい。

よかったよかった。ひとつだけ難点があるとすれば、日本版ではスティーヴ・クーガンのタマが修正されているってこと、ですね。