『ヤング≒アダルト』を観ました

ジェイソン・ライトマン監督の『ヤング≒アダルト』を観ました〜。

ヤング≒アダルト [DVD]
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面白いかと問われたら、うんまあフツー、と答えてしまいますね。なんかひとつ食べ足りない感じが残る作品です。しかしそういうのもあってもよいでしょう。

『Up in the air』の内容に惚れて、ジェイソン・ライトマン監督つながりで観たのがきっかけです。タイトルが出てくるまでの10分弱、これが長いんですけど工夫されてて楽しい部分です。そんでまた、タイトルで流れるカセットデッキのどアップと、元カレに貰ったカセットテープのティーンエイジ・ファンクラブの曲の執拗な繰り返しのあたりは、どこか病んでるような、なるほどこれは確かにライトマン監督らしいなと思いました(あと何度もネイルの手入れをするあたりの撮り方とか)。そんで実際、シャーリーズ・セロンという大女優さんは結構病んでる「psycotic prom queen bitch」な役柄でして、お話がどう転がるのか期待させる部分でした。

美術も衣装も素晴らしい。ケンタコハットのあるようなクソ郊外の飲み屋や自宅の雰囲気は楽しめました。『ピザボーイ』でも観たようなダメ郊外感がにじみ出てますが、しかしニンゲンはそうでもないんですよね。ステレオタイプよりもリアリティを採用したといいましょうか。その辺の細かい選択肢が、どうも私がコメディとして受け取れない方をチョイスされているようで、そのくせシャーリーズ・セロンがあまりにも美人過ぎて、売れない作家という設定なんてねえ…、ツボが外れたのはどうもこの辺りのバランス感覚にあるようです。『Up in the air』ではジョージ・クルーニーのスピーチが随所に挟まれたのが楽しかったんですが、本作品ではシャーリーズ・セロンの書いた小説が挟まれるのが大変うざかった、この違いはなんなんでしょうね。私が男だからあんまり感情移入しにくいってくらいのことでしょうかねえ。

元カレの奥さん役のエリザベス・リーサーが良いですね。彼女の組んでいるバンドが、思い出の曲を演奏するシーンは超くだなくてゲラゲラ笑えます。あと、ホテルのクラーク役、ルイーザ・クラウゼ、存在感ありました。最後の方でコレット・ウォルフとシャーリーズの長尺の会話があるんですが、ここは文句なしに良かったです。こういうシーンではっきりとキャラクターの心理の転換を示すことができるっていいですね〜。腕があります、いろんな意味で。結局配役が優れているんでしょうね。