『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』を観ました

アダム・マッケイ監督の『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』を観ました〜。

アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事! [DVD]
Happinet(SB)(D) (2012-01-07)
売り上げランキング: 45819

これまで観たアダム・マッケイ監督作品の中ではひとつ極まっている感じがしました。「ニュースキャスター」「義兄弟」もある程度のレベルはとっくに突き抜けておりましたが、どちらもウィル・フェレルを中心にしたスケッチの積み重ねでもってるようなものであり、いわばフェレルの横綱相撲という感がありました。それに比べて本作品は、マッケイ監督とウィル・フェレルの個性のガチバトルであり、初めてマッケイ監督が横綱フェレルを寄り切った、そんな相撲を見たような感覚です。

改めてマッケイ監督に注目してしまいました。フェレルの相棒にあの巨根野郎、マーク・ウォールバーグを選んだのも、『ブギー・ナイツ』派としてはマッケイ監督に親近感を覚えます。「義兄弟」のジョン・C・ライリーもブギー・ナイツ道場(と私は勝手に呼んでます)出身者ですからねえ。

実際、いつでもどこでも目立ってしまうウィル・フェレルを、今回だけは「アザー・ガイズ」、すなわち脇役に留めてしまおうというのが本作品の主張だろうと思いますし、冒頭からのサミュエル・L・ジャクソンとロック様(ロック様もいよいよ自分のキャラを見つけてイキイキしている感じがしましたね)のコンビの活躍から、『ロック・ミー・ハムレット』が強烈だったスティーヴ・クーガンの投資家役、さらにはモロモロのカメオ出演と、どこを切り取ってもフェレルのみが目立つということがないという、実に充実した作りになっております。

それだけの豪華な笑わせるメンツだけに、ギャグリールが大変面白かったんですよね。現場でのコメディ俳優同士の戦いが想像できるし、各人の笑わせまくろうという仕事量が、本編にしっかりと濃密に詰まっているような気がします。特典にはパリス・ヒルトンまで出てるし、実際本編以外にもくっそ面白いことやってるんですよね〜羨ましい。

個人的に本作品の「アザー・ガイズ大賞」を差し上げたいのは、やはりロブ・リグルでしょう。コイツは、また自由にデカ部屋をかき回すライバル刑事役でした。「ハングオーバー!」で見せたようにこの人は警察が明らかにハマリ役です。つまり公正さ、正義というイメージとはまったく真逆のキャラクターなんですよねー。

加えてホンと演出が良かった! ジーターがでてくるクダリはA・ロッドとのゴチャゴチャを知っていればニヤリとするし、プリウスにLittle River Bandで現場に出動ってのもアホらしい、「だからそれTLCの歌詞だろ!」というツッコミどころもよかった。マッケイ監督によると、署長の息子がバイでDJで、息子がかけているTLCのベストを聞いているが気づいていない、という裏設定があるのだそうですね。全体的に練り込まれてるのが伝わりました。

あのー、ひとつだけ疑問点。マーク・ウォールバーグがフェレルを飲みに誘ったバーのシーンで、ストップモーションを多用していたのは、アレなんかのオマージュなんでしょうか? 気になります。