『奇跡のロングショット』を観ました

フレッド・ダースト監督の『奇跡のロングショット』を観ました〜。

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原題は『THE LONGSHOTS』。ストーリーとしては別に奇跡でもなんでもないじゃん、と今思いました。しかし邦題としては「奇跡の〜」というのは外したくなかったんじゃなかろうか、とも思っています。要するに感動してくれ、という押し売りですね。どうもキキ・パーマーという女の子は、2006年の『アキーラ・アンド・ザ・ビー』に続いて2008年の本作品と、主にファミリーにウケそうなきちんとした役柄ばかりオファーされているのか、これでいいのかよ、と感じてしまいます。実際はそんなこともなかろうとは思いますが、こういったのが重なるとホントにただのイイ子役のイメージが邪魔になってくるはずで、結局損だと思います、と余計なお世話ですが。

実話を元にしてますが、あらすじ通りに淡々と進行するだけ、なんのドンデン返しも見つからない、どうでもいいお話でした。いちいち主人公がパスを通す度に感動しなさいとでも言いたげな音楽が非常にうざかったんで、そこで楽しさも半減しました。ポップワーナー・リーグというんでしょうか、ユースのためのアメリカンフットボールの決勝まで行くんですが、地元の町ぐるみで応援するようになっていくのもどこかで観たようなありがちな話。オープニングはイリノイ州ミンデンという町のロケーションで、オーティス・レディングの曲で始まる…なんてあたりは期待しましたけれどねー。

また、「なんてこった、わざとファンブルしたのか!」とか、結構他で有名なトリックを差し挟むってのは、スポーツ物の映画でやってはいけないことだと思うんですよねー。『俺たちダンクシューター』でもこういうのありましたね、アリウープをやるところ。それほどスポーツに詳しくなくても、観ているこっちとしてはシラケます。だからどうせだったら、全然その世界について知らない、例えば「スペリング・ビー」を題材として取り上げた方がまだいい、って話になってくるんすよ。


しかし観るだけ無駄だったとまでは思わない理由があって、コーチの叔父さん役のアイス・キューブの活躍はなかなかのもんでした。ウォルター・ペイトンの34番のユニフォームを着ているあたりは、いかにもオールド・スクールのアメフトファンという雰囲気、味があってカッコ良かったです。どうなんでしょ、この世代のアフリカン・アメリカンの役者としては随分活躍している方だとお見受けしましたが如何(私は初見でしたが…)。