『Mr.3000』を観ました

チャールズ・ストーン三世監督の『Mr.3000』を観ました〜。

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これがバーニー・マックの初主演作品らしいです。主人公はいかにもバーニー・マックがハマリ役という感じのキャラクターで、『ソウル・メン』でのバーニーとほぼ変わらんのが嬉しい限りです。私は鑑賞歴がそれほどないために、故人を偲ぶように映画を観るということがあまりないんですが、しかしバーニー・マックは本当に惜しまれます。もっといろいろ魅せて欲しかった。そんでもっといろいろ出演作品を見たいと思わされます。

『奇跡のロングショット』と同様のスポーツ物ですが、ストーリーのオチは雲泥の差で、これなら観た後の満足感は十分です。一応お話のスジを書きますと、殿堂入りだけを目指していたマスコミ嫌いのワガママなメジャーリーガーのスタン・ロス(バーニー・マック)が、3000本安打達成を機に引退、しかし記者投票で殿堂入りが決まるためその後も選ばれない。そんな時、記録のミスが見つかり、実際には2997本しかヒットを打っていないことが判明し、足りない3安打のためにメジャーリーグに復帰して…というお話です。いかにかつての名打者でも、年をとってからのメジャー復帰では3本ヒット打つのも大変だっつー話ですね。

「さて、主人公は3000本安打を達成できるのでしょうか!?」

こういった単純な命題に対してさまざまなストーリーを構築して収束に向かう映画ほど、私は強いと思います。タイトルにもなっているし、ストーリーの中でも引退したスタン・ロスは「3000」を代名詞にした事業を数多く手がけており、いまさら後には引けない、という状況も作られていくんですね。これはもう結局最後まで見届けたい気持ちがこっちも強まるわけでして、これが『奇跡のロングショット』とは異なる最重要点です。映画はオチが大事なのだ、という考え方は、なるほどコメディアンとしてのバーニー・マックにぴったりです。結論を言っちゃいますととてもキレイな愛すべきオチで、なんか兵動大樹の長い話のように、気持ちいいくらいビシっと決まってます。このために、全体として愛すべき映画に仕上がっています。

それにしてもまたもやアンジェラ・バセット。必ず出てくるって感じの女優ですね。これほどの安定感のある女優、特にアフリカン・アメリカンの女優は他に類がないでしょう。