『ゾルタン★星人』を観ました

『ゾルタン★星人』を観ました〜。

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原題「DUDE, WHERE'S MY CAR?」というフレーズだけでニヤニヤしてしまうものです。『ハングオーバー!』のような大作コメディ映画の下地には、常にこうしたB級映画が実はあるんだってことですね。皆さんとてもいい仕事をされていると思います。

ニヤニヤした二人組の主人公の姿は、『デュー・デート』というよりは、むしろ『Role Models』の感じかなと思ったのは、なるほど、ショーン・ウィリアム・スコットが被っているわけですな。

えーと、ショーン・ウィリアム・スコットはとても笑えると思うんですが、薄いし軽いしで、調子のいいヤツなだけなんじゃないかという感じがして、ジェーン・リンチスティーヴ・カレルと比べたら、手放しで素晴らしいとは言いたくないなーっていう人です。しかし次々と笑えるシークエンスをブッ込んで来るので、映画自体はまったく飽きません。「バカ負けする」という表現がありますが、しかしこの程度で負けたくはないなって思ってしまう内容です。

いやホントに結構面白かったんで、どこが面白いか、と具体的に書きたいんですが、結局それらを挙げることもバカバカしくて…強く刻まれた笑いがまったくないと言えばそれも違うんですが、うーんどうもこれは、文脈としてはチーチョン的な、『スモーキング・ハイ』的なマリファナ文脈で観た方がよろしいようです。つまり「普通の映画ではない」ってことですね。

しかし考えてみたら「普通の映画」なんて誰が見たがるっていうんでしょうかねえ。結局自分が求めているのは異常な、非日常な映画だったはず、と思い返してしまうし、そう言われると『マルコヴィッチの穴』にしたってかなり異常なんで、「異常こそ正常」と言う転換が映画でもなんでも芸術の現場では行われているものだろうと。だから『ゾルタン★星人』の異常さと『脳内ニューヨーク』の異常さは、現場での意味は一緒なんですねきっと。言動も思考も、世界観も思想も、まるで両方とも違いますけれども、なんかそんな共通点があることに今さらながら思い当たりました。