なんとなく引用

今福龍太さんの『クレオール主義』の西成彦さんの解説から。

クレオール主義 (ちくま学芸文庫)
今福 龍太
筑摩書房
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時代とともにフィールドワーカーが写真機やテープレコーダーを持参することはあたりまえになっていったはずだ。しかし、彼らは観察対象者が示す所作やその音声を記録に残すことはあっても、それ以外の景観やノイズを研究対象の中に含めることにはきわめて消極的だ。与えられた日数、五感とテクノロジーをフルに活用しながら滞在を満喫しようとするツーリストは、彼らが避けて通らなければならない忌まわしい分身に他ならないかのようだ。