『チェンジ・アップ/オレはどっちで、アイツもどっち!?』を観ました

デヴィッド・ドブキン監督の『チェンジ・アップ/オレはどっちで、アイツもどっち!?』を観ました〜。

幼馴染みの二人の男の体が入れ替わっちゃってどうなるの〜、という古典的なお話です。「身体入れ替わりモノ」の最新バージョンですね。古典であるから面白くないワケがない、仮に面白くないとしたら、何かが間違っています。独身で俳優を目指す無職男にライアン・レイノルズ、法律事務所の仕事と家事をこなすエリートにジェイソン・ベイトマン。この二人が入れ替わります。

ライアン・レイノルズは比較的なんでもこなす安心のセクシー男優ですが、割と堅物で清潔感のあるシットコム俳優のイメージが強いジェイソン・ベイトマンが、入れ替わってからチャラくなる演技には、実はかなり新鮮な衝撃を覚えました。大麻を吸ってぶん殴られた役を演じた『シンディにおまかせ』と同様に、ジェイソン・ベイトマンをいかにヨゴレにしてイジっていくか、が昨今の映画界の流行なんでしょうかねえ。彼の時代がぐいぐいキテるような気がします。今後5年間ぐらいはジェイソン・ベイトマンの時代が続くのではないかという気さえします。そして是非ともテレビドラマだけではなく、ビッグスクリーンの賞を一発獲ってもらいたいものです。

奥さん役にレスリー・マンを置いてバッチリ似合う、ということは、まあまあいい湯加減の単純なコメディ映画です。そこにオリヴィア・ワイルドのような激ヤバ美人が会社の秘書役として出演するのも、実に客を裏切らない、いいバランスだなあと思いましたね。主眼は入れ替わった二人の男に置かれるから、彼らの周りの状況は平凡なキャスティングにした方がいい、という守りの姿勢も分かりやすかったです。その代わり、お二人さんには思いっきり暴れてもらうという方針。最後まで面白おかしく観ることができました。

モチーフは古典でもネタは新鮮です。この脚本のセンス、さすが『ハングオーバー』でかっ飛ばしたスコット・ムーア&ジョン・ルーカスですよ。特に双子のベイビーを相手にした冒頭のシークエンスや、包丁とトングで格闘する台所のシークエンスなど、アイデアの数々が独創的で楽しかったです。二人が酔っ払って泉でションベンするというクダリや、男の友情の清々しさが気持ちいいオチも、いかにも『ハングオーバー』の、って感じで、持ってかれましたねえ。