『オーロラの彼方へ』を観ました

グレゴリー・ホブリット監督の『オーロラの彼方へ』を観ました〜。

オーロラの彼方へ [DVD]
松竹ホームビデオ (2001-07-21)
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楽しかったです。2000年公開、原題は"Frequency"。

これが実話だったら…んなことあるはずないんですが、野球の試合や殺人事件やオーロラ現象を巧妙に組み合わせているもんで、そうした事件の映像へのトレース感が伝記映画っぽくて、この親子が実在してるんじゃないかと思ってしまいました。

タイムトラベル、消防士モノ、殺人事件、親子の絆と、いろいろと欲張ったなあって唸るほど詰め込まれてて、快調な映画でした。既に10年以上前の映画なんで「現代」のシーンもそれなりに古いんですが、父親の活躍する1969年の風景も丁寧で、格闘シーンも「ダーティーハリー」感がありました。

この手のお話では、過去の時点で影響を与えた事象が、現代になんかしら影響を及ぼしているサマを、どうにかこうにか一貫した理論でもって押し通すんですが、「んなわけねえだろ」ということになるんで、あまり突き詰めてはいけないなと思いながらも、やはり気になるところは気になるもんですねえ。気にしないようにしたいと思えば思うほど、この映画のキモであるタイムトラベル要素の矛盾をつっこみたくなるんですが、いやホントに今まさに、こういう文章を書きながら、そこをグッと抑えているわけです。こうやって書いているってことは、それなりに矛盾はある、というか矛盾し放題でもあるんですが、やっぱりそれを言っちゃあこの映画はオシマイになっちゃうので、言いたくはないと、考えたくないなと、そういう感じです。楽しい映画だったんでそっと見守ってあげたいものです。

1969年の時点でプレスリーっていうセンスが、消防士って感じがしましたね。昔の描写があまりにも幸せで可愛らしいので、この映画ってもしかしたら不幸のどん底に落ちる伏線なのかと心配してしまいましたが、そういうわけではありませんでしたね。終わってみれば家族も友達も、全員いいヤツ、悪いのは殺人犯だけでした。

ワールドシリーズの結果が過去と現在をつなぐという描写はよかったなあと思います。子供の時に見た野球の試合をソラでスラスラと言えるなんて、よっぽど野球が好きなんですねえ。自分だったら、例えば昔見たプロレス中継の試合だってうろ覚えなんですが…。

あと、現代の方の主人公が結婚して子供もいる状況だと、話はどうなっていたんだろう、と思います。シングルってことにした方がお話がシンプルでよかったってことでしょうか。まあ途中で、過去で起こったことについては変えられないんだよな、といちいち確認しながら見るほどに結構こんがらがったんで、それでよかったのかもしれません。