『フライペーパー! 史上最低の銀行強盗』を観ました

ロブ・ミンコフ監督の『フライペーパー! 史上最低の銀行強盗』を観ました〜。

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めんどくさい映画です。ストーリーが複雑っていう意味ではなくて、典型的な謎解き要素を楽しむために、どうやって乗っかって観ようか、非常に迷いました。

脚本は『ハングオーバー!』のジョン・ルーカス&スコット・ムーアです。『ハングオーバー!』では謎解きというより、結婚式まで果たして間に合うのか〜!? のスリリングな展開が大事だったんですが、そのスリリングな要素を期待していた分、謎解きのめんどくささだけが残りました。数独クロスワード詰将棋をやるのと一緒で、まあ余裕を持ってテキトーに楽しめってことでしょう。

しかし強盗に襲われた銀行の中だけが舞台で、時限設定も特になしというのは、実に思い切ったもんです。いろいろと無理ありすぎるんだけど、よっぽど自信があったんでしょう。セットも平凡、爆発などの効果は並以下、脚本とキャスティングだけが命綱、でも冒頭の音楽はなかなか好きです。

ミステリーとして見ても驚く仕掛けはなくて、「そんなもんかねえ」とジジババのようにコタツでお茶飲みながら観るような、よく分からないものでした。この手の映画やドラマの名作はいくつかありますが、最近はこのくらいのクオリティでもよろしいんでしょうかね、ハードル下がってるってことですか。主役のパトリック・デンプシーのキャラが、一体お前は何者なんだっていうのが最後まですっきりしません。彼が語り部、いわゆる金田一少年なんですが、結局何者でもないってことですかねえ。

『WIN WIN』でも年寄り役が光ったジェフリー・タンバーが実はカンフーマスターだった、『ヘルプ』のオクタヴィア・スペンサーが実はゾンビで殺人鬼だった、みたいに、「実はナントカだった」みたいな乗せ方をするみたいな、もっと際限のない映画の方が好きですねえ。これはどうも、小さくまとまっている割には辻褄も合わないし、あんまり好みじゃないかなっていうか。

まあこういうこともあります。すんません。

あ、いま気が付きましたが、邦題は『ハングオーバー』のノリにかけているわけですね。なるほど。