『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』を観ました

イーライ・クレイグ監督の『タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら』を観ました〜。

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これは傑作でした。アンジャッシュのすれ違いコントのような、双方の誤解が生み出すホラー・コメディという予備知識は得られましたが、実際に観てみると、いっぱい人が惨殺されてるというのに爽快感の残る作品でしたよ。特に脚本が巧妙で収束も着地点も完璧で、満点をあげたいところです。

私は、映画はゲスな小説や漫画みたいなものであり、お話は観客の想定内にある程度寄り添うことが絶対条件だと思っています。その上で意外な展開になって持ってかれるっていう、起承転結を大事にしろという「まんが入門」みたいな話は、やはり大事なのだなあと改めて思いました。

この映画の意外な展開を下で支えているのは、やはり凶悪ヅラした田舎男二人組と、遊びに来たアホなチンコロ大学生集団のスレ違いにあることは明らかです。双方ともしっかりした演出。田舎男二人組は言うまでもないですが、チンコロ学生集団の勘違いする描写にも無理がないんですねー。この描写に失敗したら、スレ違いの説得力がガタ落ちするところでした。

製材所での危機一髪というシーン、あそこで使われた手斧の効果にびっくりしました。いや大した効果ではないんですが、メリハリ効いてましたよねえ。やっぱり効果は闇雲に使うものではないんですね。そこからのチェーンソー使った格闘シーンも、実にハラドキ。上手です、本当に。大したことやってないはずなのに上手って思わせる、ここが傑作と思った理由です。

あと、なんといってもラブの進展具合が実に気持ちよかった! この二人結ばれるのかなー結ばれて欲しいなーって思わせといて、オチでうひゃあってなりました。こんな傑作を生み出したんだから、監督、脚本、あと俳優も、これから注目していかねばなりませんねえ。田舎男の太い方はタイラー・ラビン、『恋するポルノグラフィティにも出てたカナダのコメディ俳優。チンコロ殺人鬼が『ビッグ・ボーイズ しあわせの鳥を探して』にも出てたジェシー・モス、彼もカナダ人俳優。どちらも失礼ながら記憶にございません。あ、ジェシー・モスの方は、ジャック・ブラックと最後にはつきあうことになる女の子の当面の彼氏役でした(地味すぎる)。虫刺されの腫れを治すのにビールをぶっかける方はアラン・テュディック。心理学専攻の女の子がカトリーナ・ボウデン。いろいろな映画でまた出会えればいいですねえ。