『バーク アンド ヘア』を観ました

ジョン・ランディス監督の『バーク アンド ヘア』を観ました〜。

バーク アンド ヘア [DVD]
ファインフィルムズ (2012-11-02)
売り上げランキング: 37,873

啓蒙時代のスコットランドで、実際にあった連続殺人事件をベースに作った映画。超怖い史実とは異なって、お気楽なブラックジョーク満載のコメディに仕上がってます。

主演のサイモン・ペッグぐらいしか私が知ってる役者が出てこないイギリス映画なのですが、最初の状況説明のあたりから、「らくだ」や「黄金餅」といった古典落語の世界をイメージしてしまいました。イギリスと日本の類似点は多いのだと思いますが、この辺の笑いのツボの源流が同じような気がします。

落語風に映画の説明をすると、熊さん八さんが死人(しびと)を外科医の寿庵さんに売れば金になることを聞きつけて、くたばった居候の爺さんの死体を試しに持っていったらホントに金になった。こりゃいい稼ぎになると踏んだ二人は、ついには殺人を手がけることになります。思わぬ大金が入ったことで熊さん八さんは品川宿に入り浸り、熊さんの古女房もたいそう喜んでおります。八さんの方は品川宿の女に入れあげます。彼女は女だけの勧進帳を演じたいと願ってまして、八さんはそれに投資します。ところが悪いことは人の口から口へと知れ渡るもので、地元の親分から稼ぎの分け前を要求されたり、奉行所の息のかかった十手持ちにも嗅ぎつけられ、最後には捕らえられ…という話。

この程度の噺ならば、せいぜい40分くらいの長さなんでしょうけれども、映画だからちょっと間延びさせちゃってるのが残念なところです。同じ実話ベースの映画化でもグッと内容が詰まってた『キル・ザ・ギャング』に比べると圧倒的にエピソードが少なくて、いろいろ付け足してなんとか尺を伸ばしたのかな、っていう気もしました。落語ってのはコンパクトにまとまっているのも素晴らしい点なのですね、となぜか落語の素晴らしさを再認識するというオチとなりました。

アンディ・サーキスの良さはちょっとこれだけでは分かりません。上手なんですけどね、ほかも観てみたいなっていう感じがしました。役者はみなコメディの本に徹していたせいか、どういう役者なのか想像しにくかったですねーそれもしょうがないんだけれども。