『ハンガー・ゲーム』を観ました
世界観からフィクションだという設定は、個人的には大変ウザいんですよねー。だからこのお話が面白いかどうか、なんとかロワイヤルのパクリかどうか、どうでもいい話はすっ飛ばします。ジェニファー・ローレンスが素晴らしい女優だなということだけ確認できればそれでよかったんです。ところが、そうやって観始めているうちに、ある種の感動というのが沸き起こってくるのは避けられません。この端からどうでもいいフィクションの世界観を、見事に省略しながら、衣装だのメイクだの、あるいはセットだの映像だの編集だの、そういった映画独特の手法だけで説明していくことの快感といったら、相当なものでしょうねえ。いろんな人がいい仕事してるんだなあと、感動しちゃったんですよねえ。
言葉足らずにならないか、いろいろと気を使った結果がこの完成形としての作品というわけであり、その上でジェニファー・ローレンスがどうやってリアルさを味付けしていくか、役者の力量がまた別の意味で問われるような役柄であったと思います。それをねえ、軽々とやってのけたっていうねえ…『ウィンターズ・ボーン』でももちろんシビレた女優ですが、今回でさらに納得させられました。この女優はすげえ、という結論です。
さらに私のテンションが上がったのは、あのエリザベス・バンクスが、なんだか異様なメイクで立派な女主人みたいな役をやってたこと、そしてウディ・ハレルソンがこれまた彼らしい酒浸りのメンター役をやってたこと、このあたりでガッと鷲掴みにされました。なんだかんだ言って金かけてるやんけクソー、と、悔しいんですけど、面白いっていう。
その他の役者はちょっと分かりません。上に挙げた3名で、もう十分お腹いっぱいです。あと、最後まで飽きずに観れたってのはホントに貴重です。感謝でいっぱいです。