大学教授・コミュニケーション専攻

スタッズ・ターケルの『仕事(ワーキング)!』を読んでます)

コミュニケーション専攻の大学教授ジャック・ハンターさん。

この職業にたずさわる教師の数は7万強になった。わたしはこの仕事に魅力を感じてる。なにしろ生き方そのものの本来の姿ーーつまり人を説得するーーの仕事だ。われわれはいわばコミュニケーションできる動物、説得しうる生物だよ。

ほんの1ページ余りですが、コミュニケーションを学んだ人々がどれだけビジネスに役立っているかを雄弁に語ります。どのような場面でも生産性を問題にするってのは、ほんっっとアメリカならではっっっって感じます。またそれかよーっていう。過剰にアメリカ独自の思想なんでしょうね、最近読んだ本でなんかそんな気がしてきています。

なかでも、ベトナム戦争北爆のスポークスマンであったジェリー・フリードハイムのこともペラペラと批評します。いわく、声に感情がないだとか生産性はあるだとか。

コミュニケーションの専門家には権力の感覚がそなわっているんだ。権力の誤用って言われるかもしれない。ある人物がその行動を充分にコントロールする能力をもつと信用されなくなる。だから同時に人間的であることを学ぶ必要があるんだ。

"電話交換手"の後に読むと、この皮肉が分かるでしょうか。電話交換手こそがコミュニケーションの最前線なんですが、機械的に扱われているという現状がある上で、この教授はこんなことを言ってますぜっていう対比。まあやり口としては大して新しくもないんですけど、スタッズ・ターケルの面白みってこういうところですよね。

コミュニケーション学―その展望と視点
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