『愛する人』を観ました

ロドリゴ・ガルシア監督・脚本の『愛する人』を観ました〜。

愛する人 [DVD]
愛する人 [DVD]
posted with amazlet at 13.05.03
アミューズソフトエンタテインメント (2011-08-05)
売り上げランキング: 46,794

非常にキメの細かい映画でして、初見ではちょっと重たいというか眠いというか。「女性」のというより、「女親」の目線が三つの状況で描かれていて、それらが同時に進行していって最後に繋がるという形の映画です。妊娠や出産の重たさをグッと寄って描いている一方で、人の死の描写が淡々とさせた構図が、なんか「お見事」って言わせたい感じがしました。あと、盲目の少女や嘱託医や上司の娘やらが、割と「表現においての重要な役割を担っている」などと言わせたい感じがして、全体的にはコ憎たらしい映画って感じです。批評家のコメントに乗っかって素晴らしい映画と言っちゃってるようでは、自分の時間をせっかくかけて観た映画なのにもったいないなって思います。なにしろ125分という長尺ですからねえ。いろいろと削れない部分はあったのかもしれませんけど、テンポは少し悪いなあって、個人的には感じました。

しかし出演している役者の凄さは伝わります。状況の変化に伴って現れる表情の変化、特にナオミ・ワッツアネット・ベニングは感服です。幸せも不幸せも紙一重、その境目の一本の糸の上を歩くような表現力、これはこの二人の個人プレーとして楽しめる映画ですが、イレ込み過ぎると疲れてしまいますんでまあほどほどに。

オトコの方は、こういう映画ですからしょーもなくて結構なんですが、この映画の素晴らしいオトコはサミュエル・L・ジャクソンの方ではなくて、ジミー・スミッツの方だと断言したいです。愛の深さというのをね、どうやって表そうかっていうことですね。ジミー・スミッツを立てた演出には恐れ入りました。弁護士の上司サミュエル・L・ジャクソンというのはね、彼のキャリアで言ったらカンタンな役どころじゃねーの、と思っちゃう部分もありますからねー。