『ゴッド.イン.ニューヨーク』を観ました

『ゴッド.イン.ニューヨーク』を観ました〜。

ゴッド・イン・ニューヨーク [DVD]
アップリンク (2008-03-28)
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映像的になにかこう、鬼気迫るものがありました。なんていうと褒め過ぎですね。ダメな映画ですよ。

改めて思ったんですが、映画ってのは作りたいと思った人しか作れないんでしょうね。尺が長い、退屈、単調、たいして面白くない、いろんな言葉が頭に浮かびましたが、なんかいろいろ言うのもためらわれるような低予算のインディペンデント映画であり、たとえば素人の仲間がこんな映画作ったよ観てよとか知り合いの劇団が出てるから観てよと誘われて行ったらこんな映画だったとしたなら、なかなか面白かったよとか言っちゃうかもしれないです。すごいねえこんな映画作れるなんてね、これからもこんな感じの映画作るんだろ、まあ体に気をつけてよ、なんか大変だったら言ってよ大したことできないけどさ、うんまた連絡するわーメールする、みたいな感想を言うかもしれません。

こき下ろすように否定できないのは、この映画は神を扱っているからなんでしょうね。地球が100人の村だったら、ではなくて、「もし地球が8人の留置所だったら」という設定で始まります。話しているうちに、各々の人種や宗教の話でもめまくるんですが、最初からいた不潔で臭い浮浪者が、実は自分は神であると語り出します。そんなお話なので、どんなにオモシロシーンやオモシロ台詞をてんこ盛りにしたところで、その設定に透けて見せられるモラリズムが鼻について、いやあこれは確かにプロっぽくないやり方ですね。もう隠しテーマもなんにもないんですから。プロットが荒涼としていて、主題はむき出し、ほとんど留置所でのうだうだ会話のシーンだし、その他の回想シーンも独特と言ったら聴こえはいいですが、妙ちくりんです。役者のキャラの演出がいかにも人種の典型で、なんのノビシロもない。

そんなところに神が突然現れるっていうんですからシュールと言えばシュールです。問題提起として考えてもいかにもお仕着せで、それでもまあともかくこの映画の制作者は、言いたいことは全部言い切ったのかもしれんなあとは思いました。

しかしなあ、映画なんだから、もうちょっとやりようはあったんじゃないかと。