『英語とわたし』を読みました

『英語とわたし』を読みました〜。

英語とわたし (岩波新書)

岩波書店
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英語学習者にとってはとても興味深い話ばかりなのかもしれませんが、英語なんてとっくの昔に諦めた私が読んでもなかなか張り合いのある読み物でした。

そうそうたる著名人の方々が、それぞれ「英語とわたし」という題で一席語ったものを書き起こしてまとめました、といった本です。ざっと並べましょうか、筑紫哲也有森裕子鴻上尚史佐渡裕引田天功河合隼雄小森陽一吉田ルイ子姜尚中河野太郎小林陽太郎などなど。いろんな人が英語学習について物申しているんですが、苦労して覚えただのあるいは苦労しなかっただの、自分の話だけではなくて自分の父母の英語との関わりからひもとく人とか、ほんといろいろです。いろいろあり過ぎて、結局英語の学習、ひいては語学の学習ってのは、なかなかこうすればいいって類型化できないもんなんだなと、改めて思いました。そうかー、だから英語学習の本っていっぱい種類あるんだな、と。

ま〜あ、普通の本でした。

物足りないのは、英語についての考え方が皆さん似たり寄ったりで、つまらんなと。いわゆる国際語であるとかそういう観点です。まあそういう本ですから仕方ないんですが、恐らく英語学習者あたりが買うんだろうとターゲットを絞ったものでしょう。だからこのタイトルが『ドイツ語とわたし』や『フランス語とわたし』でも、大した中身に変わりはないでしょう。

でもこれが『アイスランド語とわたし』『ソマリア語とわたし』だったら?

日本人が英語を学ぶってのは、底の方で仕事や就職という割と切迫した事情があるかないかで、随分違ってくるのかもしれません。しかし逆に、稀少な言語に惹かれる人々ってのもいて、それらをマスターしている人の話という方が読み物としては面白かろうなー、とか想像してしまいました。