『ラブ・アゲイン』を観ました

ラブ・アゲイン』を観ました〜。

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ワーナー・ホーム・ビデオ (2012-04-04)
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原題はCrazy, Stupid, Love.で、これはまあどっちのタイトルもうまく言い当てた感じとは言えないです。このテの「ロマンチック・コメディ」によくあるように、なんとなくテレビドラマ的な延長で気楽に観ると、結構よかったりするというパターンでした。この気構えは『ホリデイ』で学んだ私なりの法則です。要するに、恋愛モノを大真面目に観てはいけないのは、恋愛に幻滅することと映画に幻滅することのダメージを考えたら後者の方が断然ラクだから、ですね、なんつってね。

それはともかく、この映画のキャスティングについては、もーうシミジミ良かった〜と思いました。

童貞ウォーズではジョナ・ヒルが狙ってたヒロイン役だったエマ・ストーンが、日本のお笑い番組で例えるなら小池栄子っぽい雰囲気の、妙に知的で個性的な感じのコを演じておりましてね、これが非常にハマってました。ライアン・ゴズリングの完璧なモテ男ぶりを引っ掻き回すには十分なキャラでした。化粧の濃いエマ・ストーンのブスな感じもいいし。そうそう、エマ・ストーンは結構ブスかもなあって思わせる感じがいいんですよね。

続けてジョナ・ヒル繋がりで言うと、サイラスでジョナ・ヒルのお母さん役をやってたマリサ・トメイ演じる教師もハマってました。脇役でイキイキと弾けまくる姿を観るのは楽しいもんです。やっぱりこの人は美人です。文句なしに。

ライアン・ゴズリングのセリフは笑わせられますね。"do you find me attractive?"だってよ、サマになってます。"be better than GAP"だの、学生でもスティーブ・ジョブズでもなければスニーカー履くなだの、セリフは最高の作りこみです。こんなモテ男にならナンパ講義を受けてみたいもんだと感じました。

あと、息子役のジョナ・ボボという名子役がとてもハマってました。ソバカスと牧羊犬のような髪型(まるでバッキー・ラーソン笑)が、思春期のモヤモヤを絵にして、いろんなシーンで大活躍しておりましたねえ。

奥さん役のジュリアン・ムーアは、安心して見られますねえ〜。同じブギー・ナイツ出身者のヘザー・グラハムとは大違いといいますか、差を付けちゃってるなーという、さすがアカデミー賞ノミニーという感じです。ジョージ・クルーニーで感じたようなステルス感を彼女にも感じました。つまり名優ってことですね。それにしてもmidlife crisis、中年の危機という言葉をこの作品でも聞くことになるとは。

最後に主演のスティーヴ・カレル。彼の出ているシーンは、すべてよかったです。どのシーン見ても、いちいち笑いの欲しそうな演技、演出をしてるんですよねえ、ホント欲張りな人です。飲み屋でcuckoldと連呼しながら愚痴るシーンのアホらしさをはじめとして、内向的で変態チックな中年の危機にいる男、これはまさにスティーブ・カレルの世界でした。なにしろこの脚本が彼のために書かれたというわけですからそりゃハマリ役に決まってます。40歳の童貞男や、さらにはニュースキャスターでみせた端役の役柄の延長とも思えるような、彼の独壇場でした。本作品の最大のみどころである、オールキャストが集まってのまさかまさかの大修羅場シーンも、結局彼の変態っぽい感じが誤解を生んだひとつの理由となっているわけで、ただの映画的なおなじみオモシロシーンというだけでは収まらない味が出てます。スティーブ・カレルの父親顔もカッコイイ。

まとめると、スティーヴ・カレルはカッコイイということです。お話的にはどうして最後にこうホンワカ温まるのっていう「?」もありますが、それはそれとして。いい映画でした。特にオトナが楽しめる映画だと思いました。