『ステイ・フレンズ』を観ました

ウィル・グラック監督の『ステイ・フレンズ』を観ました〜。


自分の好みで言うなら、これはまったくのダメ映画でした。最近ダメな映画を見ると厳しく攻撃したくなってしまうんですが、しかしそれはやめとこうと思います。ただ自分はダメでしたよ、ってことを言うだけならいいでしょっていう、甘い考えです。もし自分がゲイだったら、ジャスティン・ティンバーレイクの6パックを見てうひょひょーとか思うんでしょうかねえ…この作品のノリだと、ファンも限定しちゃうだろうなーと思いました。

主演女優はミラ・キュニス。彼女は美人過ぎて厄介なんですね。どうしてエマ・ストーンをこの役にあてなかったのか不思議です。エマ・ストーンはホントにチョイ役だったんですが、まあしかし女優として考えるなら、今のジャスティン・ティンバーレイクとは絡んだらデメリットばっかって気もしてきます。大根…ってほどではないにせよ、一番見てらんないのがジャスティンとミラ・キュニスのカラミでして、そしてこのカラミが全編通じて存在するという、実に単純なラブコメ映画だっていうんですから、私も見る前に気がつけよ、と自分に言いたくなります。テニスのようなセックスシーンもさほど笑えずに、なんかこう、もっと別のやり方があったんじゃないかと思ってしまいます。後悔。

ハドソン川に不時着した機長は褒められ過ぎではないか、というラインに見られるように、いっちょまえに時代がかったソープドラマのラブロマンスを否定するような批判精神を発揮しつつの、なんだかフワフワした若い男女がセフレになるという前提自体は、正直それほどイヤミはなくすんなりと受け入れられます。私もそこまでオッサンではありません。

しかしなー、フラッシュモブの中で愛の告白ってシーンは、これ後世から見たら相当な笑いモノになっていると思うんですが如何。恥ずかしいことこの上ないって感じで、そういった制作陣のズレた感覚を感じ取りながら見ると、NYのビルの屋上シーンもLAのハリウッド看板のシーンも陳腐極まりなく思えてきます。「しょーもな!」の一言で片が付く感じです。

恐らくこのフワフワした演技の2人を固めるためには、周りがプロに徹してなければバランスが取れないだろうとの意向もヒシヒシと感じました。ボケた爺さん役のリチャード・ジェンキンスの話の方が面白そうだったし、さらにはパトリシア・クラークソンは一体どんだけお母さん役をやってるんでしょうかね、ヒッピーの頃から若者文化に理解のあるお母さんの役柄がホントに得意そうです。またもやこの脇役陣に目がいってしまったのが、唯一の本作品の成果でした。結局パトリシア・クラークソンと、ゲイの同僚役が似合ってんだかどうか微妙なウディ・ハレルソンが、理解不能な若者の立ち回りをうまく解説してくれたおかげで、なんとかお話が成立してたように思います。

なるほど、今気が付きましたが、この脇役陣を見たらエマ・ストーンを主役にするわけにはいかないッスね。パトリシア・クラークソンとは『Easy A』で母娘だしウディ・ハレルソンとは『ゾンビランド』で絡んでるし。まあしょうがないですね〜これは。なかなか名優ってのも数が限定されちゃうってことでしょうかねえ…。