『寝取られ男のラブ・バカンス』を観ました

ニコラス・ストーラー監督の『寝取られ男のラブ・バカンス』を観ました〜。

2008年公開。製作はジャド・アパトーとショーナ・ロバートソン。完全にアパトー組ヒットの法則の二人が手がけた、鉄板コメディという感じがします。しかもハワイで楽しく撮影しましたよ〜てな雰囲気もありまして、売れてるプロダクションってのは何やっても面白い雰囲気になってます。ニコラス・ストーラーにとってはこれが初監督作品。その後本作のスピンアウト作品として『伝説のロックスター再生計画!』を撮ってまして、二つの作品の微妙な繋がりが楽しめます。

んで、まあ楽しいのに越したことはないんですけど、『40歳の童貞男『スーパーバッド/童貞ウォーズ』同様に、脚本というよりはキャラクター造形や設定が初めにあって、面白いシークエンスを積み重ねていくというアパトー流の王道パターンだなあと分析するなど、ちょっと冷静に観てました。ジェイソン・シーゲル脚本&主演っていうのは、『ブライズメイズ』でのクリステン・ウィグ脚本&主演ってのと同じで、「やりたいもんがあんならオモロイ本モッテコイや!」な供給システムなんでしょうか。この映画の個性というのは、どちらかというと監督よりもジェイソン・シーゲルの色の方が強いようです。

ま〜あなにしろ、四方八方オモシロ役者だらけでして、文句なしです。こういう中にミラ・キュニスがいても全然問題ないし、彼女もサムいところなく随分光ってて安心しました。クリステン・ベルの偽シットコムのシリーズが一番面白かったし、この作品の流れで撮ったらしき「Blind Medicine」とかいう偽ドラマをお蔵入りさせることなく、『伝説のロックスター再生計画!』で使用したのは良かったですね。盲目の外科医って…きっついギャグです。

ラッセル・ブランドジョナ・ヒルビル・ヘイダー、それぞれが大ボケで大活躍してて、その中でジェイソン・シーゲルが比較的まともなツッコミ役であったのは、これこそが個性ってことでしょう。彼とクリステン・ベルのカラミが、なんとかストーリーとして成立させてくれた感があります。そして最後の人形ショーの部分、あそこは泣こうと思えば泣けるクダリでしょうかね、どうなんでしょう。全然でしたけどね。

全体が手堅い仕上がりなのは、初監督作品だからでしょうかねえ、メーターが振り切れるような大爆笑シーンは、思い出してもそれほどなかったような気がしました。それでも一連のアパトー作品の中で見たら、お笑いの水準は総じて高いと思います。チンポ丸出しは3回まで、という決まりも守っているし。チンポ出す意味があったかどうかは微妙なところですけどね。