『ステイト・オブ・ウォー』を観ました
『ステイト・オブ・ウォー』を観ました〜。
原題は"Iluminados por el fuego"というアルゼンチン映画。マルビナス諸島(フォークランド諸島のラテンアメリカ側の呼び名)で起こった"フォークランド紛争"を題材にしていました。こちらアルゼンチン側からの視点で語られています。これもまた邦題がよく分かりませんが、ほっときましょう。
題材自体が珍しいから、とりあえずwikipediaでもいいからフォークランド紛争の基礎知識をツラッと身に付けてから観たほうがまだ面白いかもしれません。かくいう私もwikipediaを読んだクチです(あれ、「読んだ」んだからクチってことはないか)。図らずも基礎知識を得たことで、余計にこの映画の物足りなさが浮き彫りになってしまいました。
この戦争は西側諸国同士の現代兵器を使用した接近戦という意味では初めてで、兵器自体が同じものだったりして差がなかったわけですが、ではどのようにして優劣が決まったのか、どのような戦術があったのかという話に絞られてきそうなものなんですけれども、肝心の戦闘シーンがこれまたさっぱり分からない。夜間のシーンだから暗くてよく分からないのに加えて、昼間にしても、ともかくこのマルビナス諸島というところは曇天が多く、寒そうなんですよねー。兵士も結構ガタガタ震えているし、寒くて暗い場所での戦争シーンというのは、ただ鬱々としたものが心にこみ上げてくるっていうだけにしか思えず、気分が重くなる作りでした。
『ハート・アタッカー』では冒頭で米海兵隊の連中が砂漠の中を暴走して「ヒャッハー!」と陽気になってる部分が挿入されていますが、いや別にスカッとするシーンが欲しいというわけではありません。ただ映画としてそうやってバランスを取ろうとする努力ってのは、少しはあってもいいんじゃないでしょうかね。そう思えるくらい、暗〜い面持ちの連続でした。
あと登場人物の心持ちが兵士としてなんともありがちなもので、戦争に付き物のネガティブな感情が常にくっ付いてきて、メリハリがないんです。ずっと悲しい。戦闘シーンや敗走シーンも、結構都合の良い脚本でガクッと萎えます。息抜きでサッカーやってる時ですら面白くない、悲しそうに見えるってのはいかがなものでしょう。あるいは気晴らしに羊を捕って焼いて食べてるシーンにも感じる拭いきれない暗さってのはどうなんでしょうね。
ともあれ、私がアルゼンチン映画のことをまったく知らないし、この映画がどのような文脈で作られたのかも知らないので、いくら他の戦争映画と比較したところで、大した収穫はないでしょう。この暗さというのがどうアルゼンチンであるか、そこら辺まで分かるようになってから、でしょうかね。ちょっと観ただけではやはり自信がないですね。