『我々は有吉を再び訴える』を観ました

有吉主演、マッコイ斉藤監督の『我々は有吉を再び訴える』を観ました〜。

有吉の作品というより、マッコイ斉藤の作品と言うべき内容でした。プロレスと風俗が好きで、シャブよりはマリファナが好きで、っていう感じのする、日本のテレビ業界には珍しいタイプの人なんじゃないかなって思います。日本的なお笑い番組の性質からこぼれ落ちる類いのバカさ加減がこうしてDVDとして成り立っていることは大変嬉しい限りです。

有吉という一人の芸人にとってはもはや原罪みたいなもので、恐らく一生ヒッチハイクからは逃れられないのではないでしょうか。突き詰めてしまうと有吉にはヒッチハイクしかないわけです。それを踏まえて、まったくヒッチハイクをやる気のない芸人有吉にヒッチハイクを薦めるっていう一貫した笑い、国際通りでサングラスかけたりはずしたりする笑い、「ソーキそばの汁の色が違う」という笑い、フェイクのドキュメンタリーなのにベタな効果音、まったくいい大人がなにをやってんだか…という感じも一瞬するんですが、ところどころで思わず笑ってしまっているところを見ると、こんな楽しいことを仕事にしてて正直羨ましいって気持ちもします。

デンジャラス安田が登場したあたりからは一気呵成、物語の収束へスピードを上げて行きます。川俣軍司的な絵そのものは大して見どころはないんです。有吉が目をひんむいて狂っているシーンは箸にも棒にもかからないひどいシーンなんですが、デンジャラス安田さんが締めてくれたのはよかったです。最後は有吉ではなくて、デンジャラス安田でした。そこが最大の面白い見どころだったわけです。それ自体、まずテレビではあり得ない締めですね。

マッコイ斉藤モノ、他のも観てみたい気にさせられました。