ぼくたちの奉仕活動

デーヴィッド・ウェイン監督の『ぼくたちの奉仕活動』(原題はrole models)を観ました〜。

アメトーークやロンドンハーツのようなお笑い番組を日頃見てて特に思うことなんですが、コメディやお笑いってのは、才能のあるコメディアンやコメディエンヌの個人プレーに負うところが大きいように見えても、実際には精密なチームプレーだったりします。本や設定、演出自体が優れてて、ツッコミと中ボケと大ボケのキャラがはっきりしていれば、役者さんも頑張って力を発揮すると思うのです。

しかし本作品の場合について言いますと、本が中途半端なのに腕のある役者さんを詰め込みすぎたので、最後までドタバタしてるっていうのが第一印象でした。付録の別テイクを見てても、なんかストーリーが二転三転してたんだなっていう苦闘のあとがにじみ出てまして、ばっさり切られたオモシロ役者さんの演技とか、あーもったいないって思いますよホント。完全にディレクションがgdgdだったんじゃないかな、と予想しますけどどうでしょう?

ショーン・ウィリアム・スコットもポール・ラッドもいい役者さんで申し分ないんですが、冒頭の絡みからしてコメディ感が過剰で、エリザベス・バンクスについても、う〜ん、美人弁護士ってのはいいとしても、性格はエロいんだかなんだかよく分からない半端な役どころでオイシさも半減、ご愁傷さまですってところ。エリザベス・バンクス変態女役で気に入ってたんで、もっと他のを観てみないとって感じですねえ。とにかくこの3人はイケメン(美女)でもあるので、なかなか面白い雰囲気にはなってこないんですよね、冒頭から。

ところが、どうしようかな〜この映画、つまらんかもなあまずかったかなあ、っていう頃合いで、ジェーン・リンチが登場するんですよお。ここで見ている気分もガラリと変わります。あ、なるほど、という。これはすげえと思いました。ジェーン・リンチが一瞬でこの作品の性格というか、立ち位置というか、全体像というか、そういうのをホント一瞬で分からせたっていうのは、これほんとすげえ人だなって感心しちゃいました。朝飯も昼飯もコカイン食ってたっていう有名なラインが出てきます。施設の「ビッグ」の面々、子供、子供の親、このあたりの役者は急に面白く、腕のある人ばっかだなっていう風に見えてきてしまうんですよねえ。これがジェーン・リンチ効果です。

もうひとつ、この作品には確実に、ケン・チョン効果ってのもあります。ホントこの人は出落ち感、持ってる人です。持ってます。とにかく登場からウケました。はははは。その後は、やっぱりどうしてもこの人の一挙手一投足に注目してしまうんですよねえ。振り返るとケン・チョン出演作をもう3つも見てるってのも、なかなか乙ですね。

最後にオネーチャン。Alexandra Stamlerっていう、最後に女王に勝ち上がった端役のコの顔が特徴あって、いい感じでした。