「ピザボーイ 史上最凶のご注文」を観ました

ルーベン・フライシャー監督の「ピザボーイ 史上最凶のご注文」を観ました〜。

原題は「30:Minutes or Less」、ピザ屋と爆弾の映画ですよっていうのがよく表現されていたわけですね。

チャラケた邦題とは裏腹に、まあ確かにいろいろ笑えるシーンは多かったんですけど基本的には犯罪モノで、アメリカ社会の底暗さが随分感じられる映画でした。なんつッ亭。といってもシリアスではないですよ。内容は下らないし、下ネタも半端ないし、オチなんかもテキトーだし、予算消化かと思わせるようなカーチェイスがあったり、ストーリー的にも映画制作的にもコメディだなという。これ皮肉ではありません。こういう映画は絶対に必要なんです。だから評価低いとか関係ねえんです、多分。

美術セット的には、(まあそりゃー「ボビー」などに比べると)ワクワクしない絵ばかりで、逆にリアルなアメリカのド郊外感ってのがありましたねー。撮影場所はミシガン州グランドラピッズで、そこそこ都会のはずなんですが、インド系はそんなに少ないんでしょうか。途中に出てくるハンバーガー「Mr. Burger」という店は検索したらホントにありますね。フォーシーズンズの本部のあるアトランタをラップミュージックでしか知らないだの、アトランタ行ったらBMWに乗ってPhish聞いてる医者に騙されるかもよだの、この階層的にロウワーな描写ってのがどこまでリアルなのかよくわかりませんが、それでも郊外ロウワーな感じが伝わってきました。

まずはなんといってもダニー・マクブライトです。「デュー・デート」「スモーキング・ハイ」も良かったんで、実はこの人目当てで観たんですよねー。マッチョ・ムッチリが気持ち悪くておまけに知性のない卑猥なことを話すもんですから、本当に犯罪者っぽく見えるという役回り、ハマってました。この人をもっと見たいんだけれども、特に向こうでやってるドラマを日本語字幕で見たいんですがねえ。大リーガーで先生役やってるドラマ。

ゾーハンにお母さんを寝取られた白人中年ボーヤ役がお似合いだったニック・スワードソンとの二人組もハマってました〜。「that's what she said」の天ドンも面白かったし、ニックは頭の足りない小物役として欠かせない名優ですね。

そんでイマイチ好きになれなかったのは主役ジェシー・アイゼンバーグ。アイドル的なプロテクションと言うんでしょうかね、喋ってることも大してキツくないのにコメディに仕立てなければならないという、映画によくある矛盾を感じました。銀行強盗のシーンなんてまったく酷いなって思いましたが如何。