『ショーン・オブ・ザ・デッド』を観ました

エドガー・ライト監督の『ショーン・オブ・ザ・デッド』を観ました〜。

2004年の作品です。『宇宙人ポール』『ゾンビランド』からここに着きました。

なるほど。伝統的なゾンビというお約束を使って、とにかくなんか面白い映画にしようぜ〜、という、オリジナリティを感じましたねえ。この映画はとてもクリエイティヴだと思います。ホラーコメディの金字塔、ともよく聞きますが、うんまあ確かに。

元ネタ映画を見てないもんでして、どれだけのパロディがあるのかさっぱり分かりません。でもカンで言い当てますが、テレビのザッピングのシーンなんてのはきっとパロディじゃないかなあと睨んでおりますが如何。とっくにゾンビ映画には飽き飽きしているところに、こういった形でゾンビを復活させたことはエラいと思います。そういえば当たり前のようにゾンビとはどういうもんか知っておりますが、考えてみたら何で知ったんだろう…思い出せません。

前フリって言うんでしょうか、サイモン・ペッグが街の異状に気がつくまでを引っ張るシーンが気に入りました。パブの多いロンドンだけに、あれだけ街中に酔っ払いがいても普通ってことなんでしょうね。スーパー行ってジュースとアイス買って家に戻り、庭にオンナがいるぞってんで見たらゾンビ…それを使い捨てカメラで撮ろうっていうネタ、軽くていいですね。レコードでゾンビを攻撃するシークエンスもこの二人と監督らしい味があります。

この軽さのまま進んでくれたらいいなって思ったんですが、迫り来る大量のゾンビを前にしたら、たとえホラーコメディ映画としても、人間なかなかヒョーヒョーとはしていられなくなります。これを反省点と考えたら、『ゾンビランド』でのウディ・ハレルソンのキャラクターは大した発明品だったのかもしれません。

おそらく本作品を研究した結果の『ゾンビランド』との比較はどうしても避けられません。本作品はいろいろとセコくて、チマチマと戦ったり常連のパブに逃げ込んだりと、活躍する世界の範囲がロンドンのごく一部に限られているのが笑えます。これに大して『ゾンビランド』は、ゾンビのいる範囲をアメリカ全土に広げたってところが工夫でした。

あと気がついたこと。『スーパースター再生計画』でもありましたが、パブやなんかで「Oi!」って呼びかける間投詞は、イギリス映画全般や、イギリス人俳優を使ったシーンの定番みたいですね。あの呼びかけは、いかにもコックニー訛りの労働者って雰囲気ありますね。