『ハッピー・ゴー・ラッキー』を観ました

マイク・リー監督の『ハッピー・ゴー・ラッキー』を観ました〜。

ハッピー・ゴー・ラッキー [DVD]
アメイジングD.C. (2012-03-02)
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アハハ、ウフフ。人はどれだけ楽天的に生きることができるのか。

と、一度問うてみると、実に厄介な問題ですね。この作品は驚く程に楽天的な一人の女性の、人生のある一時期を切り取ったポートレートのような印象を受けます。写真集のように思えるのは、まあそういったいい感じのテイの絵が多いからでありますが、脚本もおとなしい静かな感じで、最終的にはラブロマンスとも解釈できますけど、別に彼氏ができる映画だからといってロマンスであるとは限らないわけです。

三十路というのは30代の道のりのことを言うのでしょうけど、ウキウキワクワクと三十路をスキップで通り越すことは、誰だって難しいですよね、ということを伝えている気がします。要するにタイトルは逆説的なものである、と。

主演のサリー・ホーキンスの振る舞いが、役として自然に取ることができました。観る者としてはどうなんでしょ、こういう能天気な生き方がしたいなって思わせる演技なのか…それより私は、マイク・リー監督の大きなメンヘラ部分を影に感じました。特にホームレスとのシーンはその意味で印象的でした。

お話のスジはどうもこうも…辻褄という点でもよく分かりませんし、なにも言えません。人生はその程度のお話だよってことを見せたかったのかもしれないです。

思い返せば、自分もこういうどこまでも楽天的な季節はありました。毎日が楽しくて楽しくてあははうふふっていう。思わずバカーって独り言を口に出してしまいそうな恥ずかしい季節ですが、まあ悪くはない思い出ってことでしょう。40代以上の人がこの映画を見たならば、きっと自分の楽しい1ページを思い出すんじゃないでしょうかねえ。主人公より下の年齢の人だとよう分かりませんが。